2011年グアムの三大ニュースはこれ!

公開日 : 2011年12月24日
最終更新 :
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2011年もあと残すところ1週間となりましたが、皆さまにとって今年はどのような年だったでしょうか?

今年は私たち日本人の多くにとって忘れがたい年となり、それはもちろん海外で暮らす私達在外日本人にとっても同じことでした。特にグアムは日本から飛行機で3時間半の距離、時差も1時間しか違わず、すぐにでも家族やお友達のもとに飛んでいきたい気持ちになるのと同時に、近いとはいっても海外に暮らす寂しさや心細さを感じた年でもありました...。

それでは私が独断と偏見で選んだグアムの三大ニュースをお伝えしますね。

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普通は3番目からお伝えするのでしょうが、まず今年最大のニュースからお伝えすると、やはり『東日本大震災』だと思います。

なぜ日本の震災がグアムで今年最大のニュースなの?と思われるかも知れませんね。

日本の淡路島ほどの大きさの南の島のグアムの大きな収入源は、アメリカ軍の基地があることによるアメリカ政府からの援助金と、人口18万人の島に訪れる年間110万人以上のツーリストの方々による観光収入と言われています。特に日本人はツーリスト全体の70.9%を占めているそうで、日本からの観光客の増減は、グアムにとって死活問題と言っても過言ではないのです。

ちょうど今年の2月始めにグアムの観光産業を支えるトップのおひとりとお話する機会があり、今年の見込みをお伺いしたのですが、その時にはっきりとおっしゃられたのが「今年は悪くなる要素がまったくないので、今年のツーリスト数は近年で過去最高を記録するだろう」ということでした。確かに2010年の年末から3月始めまでタモン地区を歩くツーリストの方たちの姿は減ることがなく、勢いは留まるところを知らないのではないかということを皆が肌で感じられるほどでした。ところが東日本大震災が起こり、グアムからツーリストの方々の姿が忽然と消えたと言ってもおかしくないほど。ゴールデンウィークはもちろん、夏休まで埋まっていたホテルの予約は一斉にキャンセルされ、ホテルを始めとするサービス業で働く人たちの時短や給与カット、リストラなどが連日報道されました。

幸い(私たち在グアム日本人には辛いですが...)、ひどい円高ドル安の影響もあってか、お盆辺りから日本からのツーリストの方たちも増え始め、年末年始は1月8日くらいまでホテルも満室の状況で、街は活気を取り戻してきました♪

特に今年のクリスマス・イルミネーションは例年よりも力が入っている感じで、年明けまでタモンの夜を明るく楽しませてくれますよ:)

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次に2番目に大きなニュースだったのじゃないかと思われるのが、だ~いぶローカル・ネタなのですが、今月始めに行われた『税還付』。

これは2010年11月に誕生した新知事、副知事が公約として掲げていたもので、グアム政府の財政難のために数年来滞っていた還付金を、3年分まとめて支払うというもの。

グアムではアメリカ本土と同じく(準州だから当たり前といえば当たり前ですが...)、11月末のサンクスギビング(感謝祭)からクリスマスまでの間、お祝いごとやパーティー、プレゼントの準備や1年で一番大きな大セールでのお買い物など、かなり物入りの時期が続きます。そこで12月の最初に3年分の税還付金が支払われるというので、グアムはこの小さな島がひっくり返らないかというほどの大騒ぎになりました!

子供ひとりに付き1000ドルが付加されることもあり、母親ひとりあたりの出生率が2.48人(2011年現在)のグアムでは、税金をそれほど払っていなくとも、子沢山のご家庭はそれだけで数先ドルの臨時収入になるというのですから、騒ぎになるのも当然。

数週間待てば小切手が郵送されてくるにも関わらず、今すぐ還付金がほしいという人たちのために2日間小切手が手渡される日が用意されたのですが、初めてのできごとでオペレーションがうまく行かず、朝10時から並んだ人が5時過ぎになっても小切手を受け取れずに追い返され、ちょっとした暴行騒ぎが起きたほどとか。

いずれにしても、ラジオをつければ"税還付セール"のお知らせがひっきりなしに聞こえ、レストランはどこも連日超満員状態で、こんなに景気がいい感じ、ちょっと久々に経験したというか、私がグアムに住んでいるこの5年強の間で初めてな気がします:P

この調子だと、みなさん臨時収入はぱ~っとすぐに使ってしまいそうなので(苦笑)、この景気もにわか景気で長くは続かないと言われてはいるのですが、ホリデー・シーズンに明るい表情の人たちを見られるのはやっぱりうれしいことですね:D

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そして今年3番目のニュースというのは、少し抽象的な表現になってしまうかも知れませんが、『人気レストランの興亡』ではないかと思います。

グアムは前述の通り、人口18万人の島に年間110万人以上のツーリストの方がいらっしゃることもあり、こんなに小さな島にびっくりするほどの大小さまざまなレストランやバーがあります。そのためビジネス・モデルもいろいろで、ホテル内やアメリカ大手チェーンの大型レストランから、ホームページもなく、クチコミのみでお客様を集める完全地元密着型のお店、また旅行代理店さんと提携してツーリストの方メインで営業されるお店などさまざま。そこに沖縄から米軍がグアムに移転してくることで米兵とそのご家族はもちろん、基地拡大や彼らのための住居やインフラ整備のための建設関係者の増加を見越して、3年ほど前から急激にレストランが増えていました。

ところが長引く不況に追い討ちをかけるように起きた東日本大震災による観光産業のダメージや、沖縄からの基地移転に関わる日米の予算削減のために、見込まれていたほど人口が増えていなかったり、島の経済の低迷によるローカルっ子のレストラン離れもあり、大手資本のレストランでさえ1年持たずに店舗を閉鎖したり、お金をかけて作ったと思われるお店が相次いで移転、閉店してしまっています。

とはいえ、お店が潰れてしまう一方かというと決してそうではなく、次から次へと、無くなってしまったお店の数、もしくは(印象としては)それ以上に新しいお店がたくさん誕生しているのも事実。もちろん、できたと思ったら消えてしまったお店も多くありますが、中には大人気店に成長しているお店もあり、特にここ最近はアメリカ本土にもありそうな、ちょっとお洒落でセンスのいいお店が増えてきたという感じがしますよ:)

例えば2010年12月に誕生したばかりの『Pika's Cafe(ピカズ・カフェ)』は、クチコミを中心に人気が広がり、その勢いは、今でも不動の人気を誇る『PROA(プロア)』が誕生した数年前を彷彿とさせるほど。またグアムの大人気カフェ『INFUSION coffee & tea(インフュージョン・コーヒー・アンド・ティー)』はこの秋にとうとう待望の3店舗目をオープンさせ、連日満員だとか。他にもすでに日本のテレビでも紹介されているらしい、最近のグアムにあるようでなかった、まさに海とビーチとお店をシームレスに楽しむことのできるバー『The Beach(ザ・ビーチ)』、突如ホテルの屋上に現れたバー・ラウンジ『Zen Ultra Lounge(ゼン・ウルトラ・ラウンジ)』などなど、今までちょっとグアムにはなかったような、ハワイやカリフォルニアを思われるような新しいコンセプトのお店も誕生しましたよ:D

世界的な不景気の中、翻弄される小さな島のグアムですが、それでも私の知る限り、最近のグアムは今までで一番たくましさや力強さ、立ち上がろうというエネルギーを感じる気がします。一筋縄ではいかない昨今だとは思いますが、民族、言語、文化、宗教が入り交じってはいるものの、島民がみんなでこの島を盛り立て、より多くの方たちにグアムの良さを感じていただけるように成長していかれたら、そして私もそのほんの一端として微力ながらお手伝いしていかれたらいいなと思っています。

これからもグアムをどうぞよろしくお願いいたしますね♪

I wish you all a very merry Christmas☆

(12月のお題"2011年3大ニュース")

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