お詫びとご報告

公開日 : 2012年07月01日
最終更新 :
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今日からとうとう2012年も後半に入り、前回の記事からもうすぐ1ヶ月近く経ってしまうことになりました。こんなに長く記事をアップできなかったのは、特派員をさせていただくようになってから初めてのことなのではないかと思います。

多くの方からメールやFacebookなどで、心配してくださったり、記事のアップを待っていますというメッセージをいただいていたのですが、なかなかお返事ができなかったり、記事のアップをすることができずにごめんなさい。ようやく事情をお話できるくらいに元気になりました。

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『地球の歩き方』のご担当者さまにはご相談させていただいていたのですが、これからしばらくの間、ブログの更新を少しゆっくりにさせていただきたいと思います。楽しみにしてくださっていた皆さまには本当にごめんなさい。

実は私は6年前に結婚してグアムに移住しましたが、以来ずっと、悲しいことにベビィちゃんがやってきてくれることがありませんでした。このブログではあまりグアムのネガティブな面を書かずに来ましたが、グアムはとても医療が遅れている上に、日本のように国民皆保険制度がないため(日本の制度にもいろいろ問題はありますが、海外にいると日本の国民皆保険は本当にすばらしいと実感します)、オバマ大統領も大変苦労されたほど強力なアメリカの民間の保険会社の体質のせいもあり、グアムで適切な医療を受けることはほとんど不可能です。

日本では産婦人科に行けば何も考えずに使われるエコー検査も、アメリカでは高額なサービスのひとつ。去年卵巣嚢腫の破裂が懸念されていた時に日本で手術を受けるまでの3ヶ月間、グアムで毎月チェックする必要があったのですが、その際も夫婦で毎月500ドル以上お支払いしている保険プランが適応になっても、エコー検査の費用は90ドル。40日後の再検査では、いつ破裂してもおかしくない嚢腫があるにもかかわらず、こんなにエコー検査をするのはおかしいと保険支払拒否にあい、300ドルの自費精算を要求されたこともありました。

他にも結婚してまもなく妊娠しているかもしれない時の出血とひどい腹痛でかかりつけの産婦人科に連絡しても、予約がいっぱいで診られないと言われ、診られても最短で10日後ということ。仕方がないので10日後に病院に行くと、病院にエコーがないので触診だけされて、エコー検査は別のラボで。そのラボの予約が取れるまでにさらに1ヶ月半がかかり、さらにラボでは技師さんが検査をするだけなので診断ができず、その診断を聞くために元の産婦人科の予約を取るためにさらに10日待ち。結果、ひどい出血があってから検査結果を聞けるまでに2ヶ月半を要したというほどの状況なのです。

このような環境なので、不妊治療ということもままならず、これまでの数年間は、帰国の時に少しずつ必要な検査を受けたり、日本からグアムまで漢方を1年間送り続けていただいたり、ヨガやマクロビオティックを始めて抜本的な体質改善を測ったり、そして去年秋には懸案の卵巣嚢腫の摘出と卵巣のドリリング手術を受け、焦りはありつつも、グアムと日本を行ったり来たりしながらできることを地道に続けてきました。

それでもなかなか思うような結果が出ず、自分の心がこれ以上傷つかないように、諦めようとしたり、諦められたと思い込んでみたりしました。そして私の生きる役割は子育て以外にあるという事なのかもしれないと、その分どんどん写真にのめり込むようになりました。

そのような中、最終的にどれだけかかるかわからない高額な医療費や滞在費をこのドル安円高の時に用意すること、夫と離れ離れで数ヶ月間に渡る治療をすること、治療への恐怖、人工的な方法で子供を作りたくないという思いから何年も踏み切れずにいましたが、去年卵巣嚢腫の摘出をしてくださった信頼しているお医者様から体外受精を勧められ、5月に急遽帰国して初めて体外受精にチャレンジしました。

今回は採卵だけのつもりでいましたが、思いがけずコンディションがよかったので受精卵をカラダに戻す胚移植も受けることになり、そして妊娠することができたのですが、悲しいことにその後流産という結果になってしまいました。

予想もしていなかった妊娠に心から喜び、安定期に入ってグアムに戻ったら、また新しい視点からグアムのことを皆さまにもご紹介できると思っていたのですが、その後の流産で今までに経験したことのないほどの悲しみに、とてもひとりで日本にいられる状態ではなくなってしまい、急遽台風の中グアムに戻りました。そして数日後にはベビィちゃんの袋も出てきてしまい、夫とふたりで私たちの大好きなグアムの海にきれいなお花と一緒にたまごちゃんを返してあげました。

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ずっとほとんど家から出られずに過ごしていましたが、それでもグアムに戻ってきてから最初のツーリストのご家族のファミリー・ポートレートの撮影中に、一番上のとても大きくてカラフルな半円のダブル・レインボーが海にかかりました。いつもはすぐに消えてしまう虹ですが、この日はいつまでもいつまでも青い空に美しい弧を描いているのを見ると、たまごちゃんに励ましてもらっているようで、少しずつ前向きな気持ちを取り戻すことができました。

そしてとてもたくさんのお友達がメールやFacebookなどで温かい言葉をかけてくれたり、わざわざ日本からオススメの本を送ってくれたり、ほとんど誰とも会わずにいた私を連れ出してくれたりして、ようやくこうしてきちんと皆さまにもお伝えできるようになりました。

この場で状況をお伝えしようかどうしようかとても考えましたが、今月後半から再度体外受精のために帰国し、今度は日本滞在がいつまでになるのかわからないのも落ち着かないので、10月始めまで日本に残ることを決めたためにブログの更新がままならないこともあり、また更新を待っていますというコメントなどをいただく度にとても申し訳ない気持ちで心苦しくなっていたので、いっそこの場でご報告をして、しばらく治療に専念したいという気持ちをお伝えさせていただきたいと思いました。

そのため夏休み中にグアムにいらしてくださる方には特に申し訳ございませんが、10月にグアムに戻るまでしばらくブログの更新ができなくなるかも知れないこと、お許し下さい。もしグアムの夫や友人から皆さまにオススメの情報などがありましたら記事を書くこともあるかも知れませんが、心の負担にならない程度にできたらと思っています。

皆さまと『地球の歩き方』を通して出会ったり、やり取りさせていただくことがとても楽しかったので、これからも続けていきたいと思いますが、少しだけお休みさせてくださいね。

なお、Facebookでは基本的にお目にかかったことのある方とお友達になっているのですが、ちょこちょことグアムのことに限らず、写真や心に留まったことなどを発信しているので、ご興味がおありでしたら購読してみてくださいね

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それでは皆さまがすてきなすてきな2012年の後半と、思い出深い夏を迎えられますように...。

鶴賀 奈穂乃

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