海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > ヨーロッパ  > ハノーファー特派員ブログ > ドイツの原発事情

ドイツ/ハノーファー特派員ブログ 旧特派員 田口 理穂

ドイツ・ハノーファー特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2011年6月28日

ドイツの原発事情


メール プリント もっと見る

ドイツの原発事情

ドイツでは、2022年に原子力発電から脱却することを決定しました。


下記はドイツの原発事情についてまとめたもので、サイト「地球はとっても丸い」用に書いたものです。
http://chikyumaru.net/?p=1747


日本が脱原発を決める日はくるのだろうか、と思いつつ。


・・・・・・・・ 2022年の脱原発を決定・・・・・・・・・・


原発で23%の電力をまかなっているドイツでは、福島原発の事故を受け、早期の脱原発を発表。2022年までに、現在稼動中の17基すべてを順次止めることを決定した。2050年に自然エネルギーで電力の8割をまかなうことを目標としている。


ドイツはもともと2000年の社会民主党と緑の党の連立政権で2022年の脱原発を決定しており、再生可能エネルギーの高額での全量買取や省エネのため建物の改修に補助金を出すなど、法的整備を進めてきた。例えば、個人が自宅の屋根で作った太陽光発電の電気も、電力会社が全国統一価格で買い取るのである。買取価格は風力、水力、太陽光など分野別に決められており、数年から20年保証されている。作った電気は買い取ってもらい、自宅用には安い電気を電力会社から買って使用すると差額が収入になる。また壁や窓枠に断熱工事を施すと暖房や冷房費が節約できるが、その工事に国が補助金を出し、奨励している。


DSC_7755a.jpg

写真: 1万人が参加した、北ドイツのグローンデ原発でのデモ


しかし昨秋、キリスト教民主同盟と自由民主党の現与党が平均12年の原子炉稼動延長を決定。ところが福島の事故後、全国で反原発デモが数万人単位で起こり、原発推進の両党は州議会議員で票を減らしたことから、政策転換を強いられた。産業経済界は反発しているが、国民の8割以上が脱原発に賛成しており、政府は国民世論を代弁した形だ。


ドイツ連邦放射線防護庁による原発と小児ガンについての調査結果が改めて注目を集めている。1980年から2003年にかけて原発16基の周辺を調べたもので、5キロ圏内に住む5歳未満の子どものガンや白血病が通常の倍以上との結果がでている。

DSC_7725a.jpg

写真: 「原子力? おことわり」 のTシャツを着た一家


1998年の電力自由化により、1000ほどある電力会社のどこからでも電気を購入することができるが、福島原発の事故を受けて、自然エネルギーのみを扱う4社が大幅に顧客を増やしている。原発による電気でなく自然エネルギーからの電気を買うのは、個人ができる脱原発の第一歩である。


福島の原発事故については、今もしばしばメディアで取り上げられている。チェルノブイリ原発事故により、ドイツでも牛乳や野菜をはじめ校庭で放射能が検出された恐ろしさをドイツ人は思い出し、反原発運動が活発になった。その分、日本国民の対応が冷静かつ、政府に対して従順に思える。このような深刻な事故が起きたのに、なぜ政府に脱原発を迫らないのか理解できない。反原発運動家の合言葉は「フクシマは警告する。すべての原発を止めよ」である。

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー 生活・習慣・マナー
2011年6月28日
« 前の記事「演劇づくしのシアターフォーラム」へ
»次の記事「夏の幸せ、アイスクリーム」 へ
おすすめ記事
    ハノーファー特派員 新着記事
    オススメ、お土産にバールセンのお菓子!
    夏時間スタート&イースター
    日本でも人気Hollandische Kakao-Stubeのチョコレート
    ドイツのバレンタイン事情★お花
    ドイツのバレンタイン事情★チョコレート
    いま、白銀のハノーファー
    ドイツの年越しに欠かせないベルリーナ
    ドイツ流新年の祝い方☆年に3日間&24時間の花火!

    ドイツ 航空券情報


    ドイツ旅行 旅スケジュール

    旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■ドイツの旅行記・口コミ「旅スケ」へ

    ヨーロッパ特派員ブログ一覧

    アイスランド/レイキャヴィークアイルランド/ゴールウェイイギリス/イーリーイギリス/エディンバライギリス/カーディフイギリス/ギルフォードイギリス/グラスゴーイギリス/ケンブリッジイギリス/コッツウォルズイギリス/ヒースローイギリス/ブリストルイギリス/ベルファストイギリス/ヨークイギリス/ロンドンイギリス/ロンドン2イギリス/ロンドン3イタリア/シチリア島イタリア/トリノイタリア/ナポリイタリア/ナポリ2イタリア/パルマイタリア/フィレンツェイタリア/ミラノイタリア/ミラノエキスポイタリア/ラ・スペツィアイタリア/ローマエストニア/タリンオランダ/アイントホーフェンオランダ/アムステルダムオランダ/ライデンオーストリア/ウィーンオーストリア/チロルオーストリア/リンツキプロス/ニコシアギリシャ/アテネクロアチア/ザグレブクロアチア/ドゥブロヴニクスイス/アッペンツェルスイス/チューリヒスイス/ベルンスウェーデン/ストックホルムスペイン/イビサ島スペイン/バルセロナスペイン/バレンシアスペイン/ビトリアスペイン/ビルバオスペイン/マドリッドスロヴェニア/リュブリャナチェコ/ブルノチェコ/プラハデンマーク/コペンハーゲンドイツ/ケルンドイツ/シュタインバッハドイツ/ハノーファードイツ/ハンブルクドイツ/フライブルクドイツ/フランクフルトドイツ/ベルリンドイツ/ボンドイツ/ミュンヘンドイツ/ミンデンドイツ/レーゲンスブルクノルウェー/オスロノルウェー/オスロ2ノルウェー/ベルゲンハンガリー/ブダペストフィンランド/トゥルクフィンランド/ヘルシンキフィンランド/レヴィ・サーリセルカフランス/アヌシーフランス/カンヌフランス/サンローフランス/トゥルコアンフランス/ナルボンヌフランス/パリフランス/ボルドーフランス/マルセイユフランス/リヨンブルガリア/ソフィアブルガリア/プレヴェンベルギー/ゲントベルギー/ブリュッセルポルトガル/ポルトポルトガル/リスボンマケドニア/スコピエマルタ/マルタ島モンテネグロ/ポドゴリツァヨーロッパ/バルカンラトヴィア/リーガルクセンブルク/ルクセンブルクルーマニア/ブカレストロシア/モスクワ

    ヨーロッパにもどる

    • 特派員プロフィール
    • ハノーファー特派員

      ハノーファー特派員
      田口 理穂
      ジャーナリスト、裁判所公認ドイツ語通訳・翻訳士。1996年よりハノーファー在住。州立ハノーファー大学社会学部卒業。ドイツの環境政策や生活事情についての執筆のほか、視察やテレビ局のコーディネートや通訳も。著書に「市民がつくった電力会社 ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命」(大月書店)、共著に「『お手本の国』のウソ」「ニッポンの評判」(ともに新潮新書)。質実剛健、けれど愛すべきドイツの魅力についてご紹介します。

    • リーダーに登録

    地球の歩き方Web特派員募集