ちょうちん行列

公開日 : 2011年11月09日
最終更新 :

10月30日にサマータイムが終わり、冬至に向かってどんどん日が短くなり始める今日このごろ。

11月に入ると、暗くなってからあちこちで子どもたちのちょうちん行列が見られます。

11月11日に亡くなったといわれる聖マーティンにちなんだものです。

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ローマ帝国で兵士をしていたマーティンは、後に修道士となりました。貧しい人に、自分の持っているものを分け与えました。

自分のマントを半分切って、乞食にあげた逸話は有名です。

昔は11月11日より、クリスマスまで40日間断食をしました。今は春の復活祭前の40日の断食がかろうじて残っている程度で、クリスマス前の断食の習慣はほとんど残っていません。断食前の最後の晩餐にお祭り騒ぎをするのが、ケルンなどのカーニバルにつながっています。

中世のころは11月11日が年の変わり目でした。農作業は一段落し、新しい1年が始まるとされ、仕事や賃貸契約、借金などの期限とされました。今でも土地の賃貸はこの日を境に行う風習が残っている地域があります。

私も今年、幼稚園や消防署主催のものなど、すでに3度ちょうちん行列に参加しました。暗がりの中を、子どもたちはお手製のちょうちんを下げて歌いながら歩きます。管楽器と太鼓の音が響き、色とりどりの灯りがゆらゆらゆれて、なんともロマンチック。当時のマーティンを再現して、マントを羽織った人が馬に乗って付き添うこともあります。

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教会の中は、ちょうちんの中のようでもある

5日に行われたハノーファー市街地での行列には3000人が参加し、マルクト教会でミサもとりおこなわれました。

外では火がたかれ、ぱちぱち火花が空へ散ります。

農作業を終え、厳しい冬を前にした昔の人々は、こうして1年を振り返っていたんだろうなあ、と思いました。

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