演劇する若者

公開日 : 2012年04月15日
最終更新 :

昨日、オペラハウスの上の小さな劇場でミュージカル「ただ笑え! Lacht Nur!」を見ました。16歳から24歳の男女15人からなる「若者クラブXL」によるもので、全寮制学校での恋愛や裏切りを描いたもの。もともとイタリアの劇作家ルッジェーロ・レオンカヴァッロが1901年に書いたソープオペラ「バヤッソ」大きくアレンジしたものです。

舞台をぐるりと三方取り囲むようにした客席からは、俳優たちの表情がよく見えます。監督のマーティン・ベルガーによると、応募してきた全員を審査なしで採用したとのこと。だからまったく演劇の初心者の子がおり、歌の上手な子、踊りが下手な子などさまざまです。けれどそれでいいのです。昨年9月から毎週練習を重ね、今回の上演にこぎつけました。「若者はいろんな可能性を持っている。練習をしているうちに、それが思わぬ方向に発展していった」と、自らも若い監督は楽しそうにいいます。

7213a.jpg

ピアノとドラムの生演奏の中で進む、人間模様。ある状況を、それぞれの視点で語っており、登場人物によって捉え方が違うことがわかります。実際に見て印象的だったのは、俳優たちの熱意。熟練したプロとは違う熱気があり、迫力がありました。けれど同時に少しばかり、はにかみもある。彼らはこの劇を通していろいろなものを得たのでしょう。そして、未来はまだまだ大きく広がっている。ベルガーはハノーファーオペラハウスのアシスタント監督でもあるので、若い俳優たちは演劇のプロからみっちり指導を受けることができたのです。

ハノーファーには、「若者クラブXM」と「若者クラブXS」もあり、XSは8歳から12歳の子どもが出演しています。XMは、LとSの中間で10代の若者たち。XSの指導者はミハエラといい、12年前にルーマニアからドイツにきました。偶然劇場で会ったのですが、彼女とはハノーファー大学に在籍中、社会学のゼミで何度か一緒なったことがありました。現在は演劇指導や演出をしながら、演劇教育について博士論文を書いているとか。7,8年ぶりの再会でしたが、彼女の活躍ぶりに大いに励まされました。

DSC_7215a.jpg

「ただ笑え!」は4月14日と15日の二日のみ。チケットは6ユーロ50セント(650円)。

ハノーファーのオペラ、演劇のプログラムは下記のとおり (ドイツ語)

http://www.staatstheater-hannover.de/oper/index.php?f=01_spielplan&aktuellermonat=1

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。