飲み倒す父の日

公開日 : 2012年05月18日
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日本では6月の第3日曜日が父の日ですが、ドイツでは今年は5月17日木曜日が父の日でした。この日は父親に感謝を表す日ではなく「男のための日」。父親を含む男たちが飲んで騒ぐ日です。

父の日は毎年、キリスト教の祝日で、昇天したことを祝う「昇天日」にあたります。磔にされたキリストが復活したことを祝う復活祭から数えて、6回目の日曜日が過ぎた木曜日です。今年は4月8日が復活祭で、復活祭の日曜日を第一日と数えるため、5月17日が昇天日すなわち父の日となりました。復活祭と同じく、毎年日にちはずれます。

父の日は、若者から年配者まで男たちがグループで酔って馬鹿騒ぎする日なのです。年に一度この日だけは、家族や周りも容認。男たちは手押し車にビールを山盛りに積んで、森の中を練り歩き、飲み、歌い、最終的にビアガーデンか食堂を目指します。到着するころにはよれよれのよいよいですが、そこでまた飲みます。

おそろいのTシャツをわざわざこの日のために用意したり、CDレコーダーで大音響を振りまいたり、気合が入っています。ハノーファー市内にあるアイレンリーデの森に行ったら、男ばかりの愉快な集団をたくさん見かけました。「森のステーション」という環境教育の施設の鳥小屋の横でも、男たちが10人ほどビールを飲みながら歓談。ときどき低くてたくましい歌声が聞こえてきて、子どもたちが珍しそうに見ていました。しかし、親子連れが動植物を観察する施設で飲んでいいというのも、おおらかというか。これもドイツ文化のひとつでしょうか。

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市役所前ではジャズ音楽のお祭りをしていましたが、いつもよりもアルコールの消費量が多いような。ビールケースを傍らに、仲間たちと飲んでいる人も大勢いました。

5月13日の母の日には、花やケーキを贈ったり、夫が朝食を妻のベッドに運んだりというほほえましい風景が見られました。しかし、その4日後の父の日は酔い倒れ。連邦統計局によると父の日は殴り合いが多く、飲酒運転による事故は通常の3倍だとか。ドイツではお酒を飲んでも無礼講は許されないのですが、年に一度父の日だけは羽目をはずしても世間は大目に見てくれるようです。

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