ラマザン(断食月)

公開日 : 1999年12月03日
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イスラム教には断食という習慣がある。トルコではこれをラマザンといい、断食することをオルチという。今年もまた、まもなく12月9日から太陽に従って生きる日々がやってくる。

日本にいたころの私は、日本の仏教的断食修行を連想しがちで、2、3日食事を絶つのかと思っていたが、そうではない。太陽が空にある間は食べない、というのだ。朝まだ暗いうちに起き出して食べれるだけ食べ、夕方日が暮れるまでは、食べ物も水もたばこも(敬けんな人になるとつばを飲み込むことさえ)我慢。これが約1ヶ月にわたって続く。それが終わるとラマザンバイラムまたはシェケルバイラム(砂糖祭)と呼ばれる3日間のお休みとなる。すぐあとに控えた犠牲祭と合わせて、トルコ、いやイスラム教徒にとっての盆と正月というわけだ。

この時期の夕食のソフラ(食卓)は贅沢になりがち。一日我慢している間、食いしん坊のトルコ人の頭の中は今日の夕食のことでいっぱいなのかもしれない。この一日の断食を破る夕食をイフタルというけれど、うちの会社でもイフタルの2時間前ぐらいからみんなそわそわしはじめる。誰かがラマザンピデというこの時期特別のパンを買いに走っていく。スープが鍋にかけられる。そう、会社でだってイフタルは行われるのだ。その時間に仕事をしようとしても電話に出てくれる人さえ少ない。「今イフタルだから、あとでかけ直して」なんて切られてしまう。5分前には食卓はすっかり準備OK。「読まれた?読まれた?」と目を食べ物に釘つけにしたまま、スタートの合図のアザーンがモスクやテレビから聞こえてくるのをいまかいまかと待ちわびる。家でイフタルを迎えようと会社を早退する人も多い。もちろん家路を急ぐ人々の手には、いつもよりたくさんの食べ物がぶら下がってる。イフタルに間に合おうとする車で、道はいつもにも優る大混雑。お腹がすいて気が立ってる人も多いから、この時期、この時間の交通には充分注意して下さい(笑)。

アッラー ベレーケット ヴェルシン(アッラーのお恵みを)。

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