ぷりぷりムール貝

公開日 : 2001年05月24日
最終更新 :

私の今、住んでいるところは新市街の魚市場に近い。天気が良い日は、タクシム広場に向かうまで毎日イスティクラル通りを散策する。ご推察の通り、あちこちの店に吸い込まれるので、なかなか広場に到着しない。のんびりした春の日々である。

春といえば。食い意地の張った私は、食べ物も気になる。季節の野菜が本当に美味しいこの国のこと、色彩豊かな果物屋台にも毎日通う。しかしもう一つ、私はミディエタバを勧めたい。ミディエとは貝のことだが、一般的にはムール貝を指す。タバはフライ、つまりこれはムール貝のフライのこと。シーフードレストランでは皿盛りで出すが、市場などでは串に刺した状態で、そのまま、またはパンにサンドイッチにして売ってくれる。にんにくのソースはお好みで。オルタキョイや新市街魚市場あたりが観光客にも買いやすいスポットだと思われる。

春に貝が太ることに気がついたのは、アクメルケズという高級デパートにあるペーパームーンというイタリア料理店でのことだ。ボンゴレスパゲッティのアサリが、もうぷりぷりで、ハマグリかと思うぐらい大きい。感動したので皆に勧めまわったところ、板前である友人が時期のせいであることを教えてくれた。春から初夏というのは、貝が卵を産む直前で体に栄養を溜め込む時期なのだそうだ。これが夏に産んでしまうと、身が痩せてしまうらしい。短期限定、まさしく春の味覚だ。

うちの日本人の旦那は、イスタンブール暮らし最初のころに街角のミディエドルマ(ムール貝のピラフ詰)を食べて当たった経験の持ち主で、私が貝を食べるのにもいい顔をしない。確かに、貝は当たると怖い食べ物だから、暑くなってくる今の時期、街角で食すのはよした方がいいだろう。しかしミディエタバはディープフライなわけだし、昼頃魚市場を訪れると湯気のたった作り立てのミディエドルマを、おじさんが注意深く積み上げている光景に出くわす。お腹が心配なあなたは、こういったアツアツを狙うのが正解。もちろん味も格別だ。

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