トルコ人インテリ、東へ行く

公開日 : 2001年09月11日
最終更新 :

久しぶりに会った友人夫婦は、アラブ人かと思うほど真っ黒に日焼けしていた。彼らはボドルムに別荘を持っているので「今年もボドルム?」と聞いたら、「いや、東に行っていたんだ」と意外な答えが返ってきた。

東とは東部トルコのことだ。普通日本発で最も売れ筋のトルコ周遊パックツアーは、8日間で西トルコを一回りというものだから、東トルコの観光地というのはまだまだ開発されつくしていない。旦那がフランス語と英語、奥さんが日本語とイタリア語のガイドであるこの夫婦にしても、一部を除いては10年来訪れなかった地域であるらしい。それが最近になってじりじりと人気の兆しがあるというので「勉強とバカンスを兼ねて」2人でレンタカーで回ってきたのだという。

そう言えば他のガイドからも聞いたことがある。「来週はネムルート山のツアーがあるんだ。日本人かって?いや、トルコ人の団体なんだけどね。」

そうなのだ。ブームはどうもトルコ人の国内観光客から火がついたようだ。イスタンブールやカッパドキアへの文化ツアーなども人気。だがこのあたりは観光地としてはかなり開発されつくして、ダンピングの傾向がある。それに対してまだまだ秘境感のある東は、ちょっとインテリなトルコ人や現役を引退した小金持ちの老夫婦などに密かな支持を受け、料金は決して安くはないにも関わらず、少ないながらも催行本数が増えているのだと言う。

そうやって定期コースが出来てくると、毎夏通ってくるトルコ慣れしたヨーロッパ観光客の目にも止まるようになって来る。特に文化ものにはフランス人が興味を示すことが多いようだ。また長いリゾートバカンスに変化をつけたいドイツ人観光客も、結構参加しているらしい。秘境冒険が好きなアメリカ人も順調にその参加数を増やしているようだし、わが日本からも問い合わせは増えていると言う。だからこそガイドたちも、「この道のプロとして、最近は行ってませんから最新情報はわかりませんとは言えないでしょう」と自主トレに励んだりするわけだ。

いつも催行しているわけではないが、いくつか東のツアーを取り扱っている旅行会社を紹介しておく。基本的にはトルコ人向けツアーが多いので、英語での問い合わせにきちんとした対応窓口がないこともあるが、基本的にすべて大手なのでスルタンアフメットで売られているようなツアーとは違い、同じバス同じガイドがずっと案内を務めるスルーの安心感がある。ただし、日本のように手取り足取り旅程を説明したりはしないし、日程表もおおまかなもので、その日の行程はその日に発表されるようなトルコらしさも。それでも個人で回るには効率の悪い東、しかし魅力的な観光地、すれてない本来のトルコ人や遊牧民。これらをセットアップしたツアーは私たちにとってもなかなか面白いと思われる。

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