子連れ旅

公開日 : 2001年10月17日
最終更新 :

9月7日に出産した。私の隣で眠っている息子はトルコ生まれの純正日本人。トルコでは結構珍しいかと思われる。

トルコに暮らしていて時々びっくりするのが、子供の甘やかされ具合である。妊娠した、と告げたら老若男女すべてのトルコ人が、とろんと甘い顔になって私のお腹に触りたがった。それまでの「結婚して3年?なのに子供がいないの?欲しくないんだったらいいけど、欲しいならすぐ病院へ行って検査してもらいなさい。」というお節介口調とは打って変わった夢見る乙女口調である。彼らの子供好きは、赤ちゃんを見たときの態度に如実に表れる。他人のコ、知らない子だろうがおかまいなし。そこに子供がいる限り。ほっぺたつねって、キスしまくって、決り文句は「イエリム、セニ(君を食べちゃうよ)」。食べちゃいたいぐらいかわいい、とヒゲ親父ももうメロメロなのだ。

あまりに赤ちゃんが欲しいので結婚して1年も(!)経つのに妊娠しないと、すぐに不妊治療を始める人も多いようだ。卵子誘発剤などを飲んだ結果の双子、三つ子というのもよくある話で、彼ら用のベビーカーなどの特殊グッズもかなり簡単に見つけられる。まともな教育を受けさせようと思うと日本よりも高くつくこの国で、あくまで子供大歓迎。仕事場だろうが、パーティだろうが、どこへでも連れて行く。大人がいるところ、それが子供のいるところなので子供は夜中まで繁華街でも見かける。そして大人の会話を聞いて育った子供は政治の話もいっぱしにぶつ。勉強不足だとこっちがたじたじだ。

トイレにオムツ換えシートがあるわけではない。レンタカーにレンタルチャイルドシートを見つけてくるのは至難の技だ。にもかかわらずトルコを旅する子連れ観光客がそんなに不満を持たないのは、どこに連れていってもそこにいるスタッフや通りすがりのトルコ人が、先を競って子供の面倒を見てくれるからに違いない。ハイアットリージェンシーホテルの日曜ブランチに行ってみるといい。滑り台とジムが奥まったところに仮設され、スタッフが大喜びで子供たちの相手をしている。それが眼の端に入るぐらいの位置で、母親たちは子供から開放された優雅なビュッフェを楽しみ、時々駆け戻ってくる子供の頭をなでてやる。スタッフが子供にかかりきりなので、スーツのビジネスマンの会計はなかなかやってこないらしい。やれやれ、とため息をつく彼もそう怒ってはいないようだ。

頭が大きく目鼻の小さい日本人の子供は、特に大人気。どこへ連れていっても大人気過ぎて、スーパーでは人だかりができて前に進めなかったと言う話も。生まれたての息子にもさっそくあちこちからお誘いが。うーん。甘やかされすぎてグレてしまうかも。

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