トルコ大統領選
テレビのどのチャンネルをつけても延々話題は同じ・・・大統領選一色である。
だいたい与党のAKPが候補に擁立したのが外相のギュル。現在首相を務めるエルドアンにつぐ党No.2である。AKPはもともとイスラム色の強い母体を持つが、その色を極力押さえ込んで中間層の人気をつかみ、現在過半数の議席(確か5分の3くらい)を占める勢いの与党である。ただし、旗印と言われることもあったEU加盟が暗礁に乗り上げた今、ちょっと微妙な立場になりつつあって、そんな中、首相と大統領が組んでしまうようなシステムが作られたらAKPの今後の方針もはっきりしないまま、したい放題させることになってしまう・・・それはガイジンの私から見てもあまりよろしくない事態のように思われる。
テレビでは軍部も絡んで、なんだかいろんな人がいろんなことを方言し放題。日本の新聞などにはあま
り載っていないがアメリカやヨーロッパからは声明が出されて、やれ民主主義の危機だの政情不安だの
とえらい騒ぎである。ドルに対してもユーロに対してもこのところずいぶん値上がりを見せていたトル
コリラが月曜日には暴落するかも?との憶測も流れて、それは生活に直結するのでいきなり私はテレビ
を真剣に見始めた。本日は共和国ミーティングとやらで、大集会になるらしい。友人のだんなからは、
女子供は家から出るなよ、といわれてしまった。(でもそれを聞いた友人(彼の妻)が嬉々として、「
でも困ったわ。買い置きが何もないから、今日は店屋物にしようかしら」といったら「スーパーまでは
行ってもいいぞ。」と豹変したあたり、どこまで真剣に心配なのかわからない)
外国人の友人はほとんど興味のない人も多くて、町にも変化はないから、観光客が心配することは集会があると発表された地域に近寄らないとかそのあたりの交通規制に注意とか以外に特に何もないと思うけれど、擁立されたギュルのとなりにいたその妻が、完全にスカーフに頭を隠しているタイプで、「や
っぱりAKPってイスラム原理主義なのねと実感した」とフランス人の友人がぽつりと言った。政教分離の
大原則があるトルコでは民衆に影響を与える立場の人が、テレビや公共の場にイスラム色の強い格好で出るのは基本、禁止だ。政治家の妻はその範疇かどうか意見が分かれるかもしれないが、全体の行方には興味がなくてもこの妻の服装を気にした人は意外と私のまわりに多い。
どこまでもつれ込むのかしら、大統領選。
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