5人に一人は断食完璧

公開日 : 2008年09月27日
最終更新 :
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10月19日のSABAH紙にこんな記事があった。

アメリカのPEW調査会社が24カ国で行ったアンケートによると、トルコの20%の人々は断食を決して崩さない。毎日5回お祈りをするのは34%。

断食を崩さない、という言い方が?な方も日本にはたくさんいるだろう。イスラムの断食は、日が昇ってから日が沈むまでの間、何も喉を通さないというものだ。食物はもちろん、水も、たばこもだめ。これがイスラム暦のラマザン月の間、約1ヶ月弱続く。その一ヶ月の間は、酒もセックスもなしの禁欲生活というのも不文律だが、もちろん政教分離の国是があるから、守らなくても誰にもとがめられるものではない。実践は個々に任せられているから、最初の何日間は守ったけど最後まで続けられる人(もしくは続けることが必要だと考える人)はラマザン月が過ぎるにつれてどんどん減ってくる。そしてそれでも『崩れることなく』最後までやり遂げる人が20%ということなのだ。(トルコでの調査対象人数は1003人)

意外である。私には意外であった。普段まったくイスラム色を感じさせないわが友人たちが、唯一イスラム教徒らしさを覗かせるのが、脱毛のときと断食のときだからだ。もっといるだろう、と思ったのだ。けれど私のその印象も次のデータを見て納得。ほとんど守る、60%。時々守る、9%。全然やらない9%。そうか、「ほとんど」とあわせると80%だもんな。田舎では絶対、というところもあるだろうことは想像に難くないが、都会に暮らす友人たちはそこまでの信念とこだわりがあって断食しているわけではない。「たまに胃を休めるのも身体に良いから」とか「ダイエットよ」とか「これは文化だから」とか、そういう気楽さがある。日本人が年末に除夜の鐘を突き、新年に神社に参る、ほとんどそれに近い、生活慣習となってしまったゆるい宗教行為みたいなところがある。だからたまに体調が悪いと、無理はしないで薬も飲む。厳密に言うと、病人や旅人や妊婦や子供は断食しなくていいというのがルールだから、これは崩れたことにはならないけど、でも完全に守り通しましたとも言いにくい。だから、ほとんどなのである。

私はイスラム教徒ではないけど、イフタルの食事に招待されるとちゃんと付き合って、その日は一日断食をする。そういう私の行為を友人たちはたいてい喜んで受け入れる。同じ体験をして、一緒に食べるイフタルは仲間意識が強まっているせいで、とても楽しい。

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