イフタル
一日の断食明けの食事をイフタルという。一日飲まず食わずのトルコ人たちの頭は一日このイフタルのことでいっぱいになり、知らず知らずに豪華になってしまい、断食月が終わるころにはかえって太ってしまっていることも多いというこの魔のイフタル。家庭だけではなく各ホテルやレストランもこぞってこれでもかとイフタルメニューを繰り出し、みんな家族親類同僚友人たちと毎晩誘い合っては楽しいイフタルの食卓をみんなで囲みます。
異教徒なんですけど私にもイフタルのお誘いはかかります。別に断食を強要されるわけではないけど、私はイフタルのお招きに応じるときには基本的に断食することにしている。なんとなく、それが礼儀のような気がするのと、辛苦をともにしておいたほうがイフタルは楽しいから。でも今年最初のお誘いの日は悩んだ。だって夏ですよ。食事はともかく水飲まないのは辛そうだ。トルコ保健省だって、水分は取るべきで無理な断食をしないようにとの見解を出している。迷ったけど、とりあえず夜明け前に起きて水だけは補給しました。
その日の仕事はある会社でのオフィスワーク。パーテーションをはさんで向かい合うトルコ人同僚も今日のイフタルに誘われています。
「で、一美、今日やってんの?断食?」
「いや、どうしようかなー」
「えっ、この時間になってどうしようかなってどういうことよ。サフル(夜明け前の食事)食べてないの?」
「いや、とりあえず起きて水だけは飲んでおいたよー。C、あんたは?」
「それが私、今日B社よってから来たじゃない。バスがあまりにも暑くてさー、思わずうっかりぐいっと持ち歩いていた水を・・・そしたらバス中の視線が痛くて、はっ、断食中だった!って気がついて・・・時すでに遅し。」
なんだ、トルコ人の君がやってないのかよ!?と心の中で突っ込む私。
「まあ、でも私はイフタル楽しく食べたいから、今日は断食することにする」
「いやー、でもえらいわー、アッラーが認めてくださいますように(決まり文句)。」
トルコ人は断食は強要しませんが、一緒にやるとそれはそれは喜んでくれます。面白がっているのもあるけれど、嫌がられることはまずありません。この日のホテル(タキシム、セントラルパレスホテル)でのイフタルはご招待だったから払ってないけど、オープンビュッフェで約2000円。メインも3種類で、おいしかったです。ここのホテルはオープン当時から酒を一切おかず、オーガニック素材を使った健康指向の料理を出し、運動用器具を備えた部屋もあるくらい。
この機会に一度、断食とイフタルを楽しんでみてはいかがでしょう。
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