アシュレの日

公開日 : 2011年12月27日
最終更新 :
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ああ、近いなーと気がついてはいたのだ。アシュレの月になると、市場にアシュレの材料を売る店が目立つようになるから。くるみや、カレントや、干し杏、干しぶどう、麦・・・こういったナッツやドライフルーツを甘く煮た雑穀雑煮、それがアシュレ。日本語ではよく、ノアの箱舟プティングと訳されている。知り合いのトルコ人は、いろいろな種類のものが少しずつ入っているからといっていたが、そういう意見は他の文献などでは診たことがないので本当かどうかは分からない。けれど、イスラム暦の1月であるムハッレム月の10日目、アシュレ(語源はアラビア語の10を指すアシュラらしい)の日は、預言者イブラヒムがネムルートの火から救われた日であり、ノアの箱舟が陸地にたどり着いた日とされているのは間違いない。それらの聖なる出来事を思い出し、祝う日なのである。敬虔な人の中にはラマザン月のように断食する人もいる。推奨されているらしい。

でも一般的なトルコ人がやることは、アシュレといわれるこの雑煮を作って、近所に配り、楽しむことだ。特に女の子のいる家庭は、たくさん作って近所に配る。どこからそんな意味が発生したのかは、誰に聞いても定かではないが、これは「未婚の娘がうちにはいますから、誰か嫁にもらってくださいねー」という宣伝行為である。アシュレをもらったら、その上に「良縁求む」の文字を読み取るべし。最近ではアシュレの日にこだわらず、アシュレ月ならいつ作っても良いという人も多く、レストランや甘味やでは一年中食べられる味になった。

うちにも未婚の娘はいるのだが、まだ4歳だし、なにせ父親が嫁にはやらんと宣言しているので、母はさびしくデリで注文してみました。おいしかった。

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