トルコリラのマーク

公開日 : 2012年05月29日
最終更新 :

最近急に目に付くようになったこのマーク。3月1日でしたかね、発表になったトルコリラのマークです。トルコ中央銀行が募集していて、最終的には8362もの応募があったとか。

TL.JPG

中には刑務所から送られたものもあったとかで、けっこうみなさん興味はあったようなのですが、その頃殺人的に忙しくて、世の中の出来事をフォローしていなかった私、一番最初にスーパーでこのマークに出会った時はびっくりしましたよ。手書きになると、このマーク、おそろしくユーロのマークに酷似しています。いつからトルコは、野菜をユーロ建てで売るようになったのかと眉が逆立っちゃいました。(後ろにいた旦那が、あーそれね、と正してくれました。旦那は日本人ですが、さすが毎日数字を眺めているだけある・・・)

これはトルコリラシンボルのコンテストに選ばれた作品そのままではないのだとか。それをベースに黄金率にしたがって形を整え、これから価値を増す通貨のイメージを表すために右上がりにラインを変えたらしい。国際通貨にトルコリラを育て上げるぞというトルコトップの気合いが感じられるかも。

記事を検索してみると、このマーク発表のときの首相コメントが載っていて、この国にもうXX年もいる私としても色々感慨深くなってしまいました。

「2001年には1ミリオンリラや5ミリオンリラがあった。2005年には一番小額の札が1ミリオンリラだった。テレビじゃ、ミリオネアになりたければトルコにと揶揄された。50ミリオンリラの交通違反切符を切られた観光客が卒倒する事件もあった。1981年から2001年まで2年に一回新しい札を作った。0を取る(デノミ)を宣言したとき、誰も信じるものはいなかった。インフレになると反対の声も多かったが、否定的、悲観的な意見には耳を貸さず、2005年1月1日0を6つ取り払って、YTL(新トルコリラ)の時代に入った。2009年1月1日から再びTL(トルコリラ)へ。デノミはまったくインフレを引き起こしはしなかった。2005年以来、先進国にあるような50,100,200といった札を作った。国内でも国際市場でもトルコリラは強く安定した通貨として認められ始めた。昔を思い出すといい。トルコリラは弱く、給料をもらうとともに外貨両替所に駆け込んだ日々を。あんな現象はもう残っていない。いまだ1TLに1ミリオンという人はいる。しかし若い世代はもはやその時代を忘れ去ろうとしている。」

みたいな話で。読みながら、いろいろな思い出が頭を通り過ぎました。家賃が外貨換算すると一年で2分の一になったこと。外貨両替してトルコリラを手に入れるのに、一日待てばその分価値が上がるから、ぎりぎりまで待ったりしたこと。そうそう、あの頃はカジノもあって、カジノだと両替率がいいので、高級ホテルのカジノに両替しに行ったりもしたっけ。銀行のリラの利息は100%を超えていて、それでも外貨に換えたほうが得をするほどだった。今じゃ10%がいいところで、まだまだ政府は下げる気だしなア。

その昔、友人と試算してみたことがあったけど、学生さんレベルの質素な生活をするのなら、300万円ほどのまとまったお金があれば、元手をまったく減らさずに働かずに暮らしていける国だった。今は、子供がいたらその程度じゃ一年も暮らせない国になっちゃったけど。ガイジンとしては、何もなかった昔のほうが天国だったような気もする今日この頃です。

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