特派員、奈良へ出張
1日目 唐招提寺〜薬師寺
3日は唐招提寺金堂の「平成大修理現場見学会」(2日〜4日。通常拝観料600円のみ)へ。井上靖の『天平の甍』で知られる金堂は柱が内側に倒れ込んで来ているため、このままでは危ないかも…、という状態になっていたそうです。
そこで2000年から10年の予定で、同寺の創建(759年)以来5回目の修理にして初の大規模な解体修理が行われています。現在、建物の組み立てが終了しており、この後、来年にかけて工事用屋根の撤去、本尊等の搬入、2009年秋の落慶法要が予定されています。
今回のような催しは滅多にないことなので、真っ先に行くことにしました。宣伝効果に加え期間の短さ、土曜日というせいもあってか、予想以上の混み具合でした。
隅鬼とは屋根の四隅にある隅木(すみぎ)を支える部材で正座して両手を腿に載せた鬼の形をしており、魔除けを兼ねています。
見学者たちは皆、土足禁止の敷物の上で四つん這いになって覗き込んだり写真を撮ったりしています。
2005年の初めに、東京国立博物館で平成大修理記念と題して唐招提寺展が開かれました。その時も隅鬼たちを見ることができましたが、あの時の隅鬼たちは遥かな年月のあいだ支えてきた重荷から開放され、曲った体は伸びないものの、心なしかほっとしたような表情に見えました。でも今は再び頭の上に隅木を載せられ、辛そうな顔に戻ってしまったような気がします。
2日目 興福寺〜正倉院展〜東大寺
4日の目当ては興福寺の「北円堂(ほくえんどう) 特別開扉」と「国宝館 特別陳列」、それに奈良国立博物館で開かれている毎年恒例の「正倉院展」です。
また国宝館(入館料500円)では今回、あの阿修羅像を始め奈良時代に作られた国宝の乾漆八部衆立像が見られます(25日まで)。今見ているものが1200年以上も昔に作られたものだと思うと感無量でした。
毎年開催されるにもかかわらず、正倉院展の人気も大変なものです。入館待ちの列は、建物の外側の長い通路を1往復半し、更に外へと延びています。耐えて並んで40分。入ってからはもっと大変。せっかく時間をかけて並んだのに、見学者の多さで陳列物が見えません。ほとんどが人の肩越し、頭越しにちらりと見るだけでした。興味が半減してしまい、ざっと一巡してから平常展に移動しました。そして私にはこちらのほうが楽しめました。奈良国立博物館の仏像の多さは他に例を見ないと思います。また興福寺も仏像の古さと多さでは他に引けを取りません。奈良国立博物館と興福寺は仏像好きの方には絶対のお勧めです。
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