山鉾巡行 -祇園祭-
私も思わぬ夜更かしをしてしまい、眠気をたっぷり含んだまま、朝8時には目当ての見物場所に着きました。でも、そばにいる身勝手な観客が嫌で、場所を替えることにしました。巡行を見る分には悪くない場所でしたが、写真を撮るとなるとベストポジションとは言えませんでした。
今年の巡行ではこれまでになかったことが行われました。山と鉾が生まれて初めて体重(重量)測定を受けたことです。山と鉾の重量は、これまでは部材などの重さから推定していたそうですが、祇園祭をユネスコの世界無形文化遺産に申請するためだそうです。
思い出せないのですが、この間何かで読みました。巡行の順番は籤で決めますが、各山鉾は順番をなるべく前にしたいというほかに、月鉾より前か後かが大きな関心事なんだそうです。それは月鉾が一番重い(と言われてきた。従って進む速さも遅い)ので、月鉾より後になると帰りが遅くなるからなんだそうです。
車両の重さを量る装置を河原町通に設置して、巡行途中で測定したようです。実際に見ることはできませんでしたが、それぞれこれまで言われてきたより重かったのか軽かったのか、結果発表が楽しみです。
しかし山も負けてはいません。山には曳山(ひきやま)と舁山(かきやま)があり、舁山の「舁(か)く」は「駕篭舁き」の「舁く」で「担ぐ」ことです。舁山は元々担がれていたわけですが、現在の舁山には車輪が付いています。巡行ではこれを転がして進んで行きますが、鉾と同じでそのまま角を曲がることはできません。
このため舁山は角々で担ぎ上げられて方向を変えます。直角に曲がってお仕舞いの山もあれば、担がれてそのまま2回、3回と回って向きを変える山もあります。山がくるくる回されると、鉾に劣らず観客から一斉に拍手が起こりました
毎年、巡行の順番は違っても、山鉾の絢爛豪華さはいつも通りで、イメージした写真は撮れなかったものの、期待に違わず心を打たれてきました。今年は山鉾の重量測定のため巡行時間が1時間ほど余分にかかり、ほとんど3時間、待ち時間を入れると4時間半も同じ位置に立ち詰めで、終わって歩き出すと脚がこわばっていてよろけそうでした。
四条通を西に向かっていると、何と、もう先頭の長刀鉾が戻って来ているではありませんか! そして巡行見物の第二部が始まってしまいました。
炎天下での巡行を漸く終え、もう終りにしてもいいだろうに、長刀鉾のお囃子は名残を惜しんでかいつまでも鳴り止みません。そこで長刀鉾を後にして、四条新町の交差点に向かいました。
御池通のコースを抜けると山や鉾は三々五々、それぞれの町内に帰ります。このため四条新町に再び現れる山鉾の数は大変少なくなります。でも、ハンドル操作で道を曲がれるわけではないので、観客の数も減りますが、帰り道だからといって手を抜くことはなく(できず)、ここでもしっかり辻回しが見られます。しかも函谷鉾、月鉾、鶏鉾、菊水鉾と間を置かずにどんどん戻って来るので、短時間のうちに見られます。ここは辻回しのお得な見物場所かも知れません。
岩戸山が、そして最後に船鉾が新町通をまっすぐ下って行き、今年の山鉾巡行は終了しました。裃を着けた巡行参加者が、見ているそばで「キツイワー!」と洩らし、そして見物人の私にもキツイ1日でした。
付録(大したものはありません)
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