京都一週トレイル東山コース 追補
先月、京都一週トレイル東山コースを歩いた時に行くのを見合わせた所に改めて行ってみました(9日)。清閑寺とその谷向こうの阿弥陀ヶ峰、そして清水山(高台寺山国有林)の散策コースです。
観光客で賑わう清水寺の境内を抜け出し、清水山麓を南へ延びる一本道を進むと10分足らずで清閑寺に着きます。小さくても歴史は古く、延暦21年(802年)創建の由緒ある寺院です。平安時代末期の高倉天皇との悲恋物語で有名な小督局(こごうのつぼね)は、平清盛によってこの寺で出家させられ、この地で生涯を終えました。寺のすぐそばに高倉天皇の陵(後清閑寺陵。「のちのせいかんじのみささぎ」と読む)があり、小督も隣に埋葬されているそうです。
さらに幕末に西郷隆盛と月照* が茶室の郭公亭(現存せず)で密議をこらしたことによっても、また京焼のひとつ、清閑寺窯発祥の地としても知られています。
(* 月照:1813‐1858.尊王攘夷を唱えた清水寺成就院の住職.安政の大獄で幕府に追われ, 薩摩に逃れて西郷とともに錦江湾に入水.西郷は助けられたが月照は死んだ)
寺は清水山の南麓の小高い場所にあります。境内の西端からの眺めは両側の山によって扇形に切り取られたように見え、扇の要に当たる場所にある岩は「要石」と名付けられています。この石には願いをかければ叶うという言い伝えがあります。行ってみるまでは分かりませんでしたが、下を走る国道1号の喧騒を除けば、眺めといい自然環境といい抜群のものがあります。ただ交通の便は悪いと言った方が適切ですが、却ってそのために正に「清閑」な大変に素晴らしい所でした。行った日が季節や天候など好条件が揃ったせいもあって特にそう感じたのかも知れませんが…
ここからの道はまだ新しく、砂利が敷かれてよく整備されています。途中に数カ所だけ木々の間から下界(五条通など)が見える場所がありました。そういう所では自分のいる位置が確認できます。管理事務所の案内板によると、この山の森林は樹種に偏りが生じ、暗い森になっているのだそうです。そこで樹木の伐採などによって以前のような混交林に戻す事業を進めているそうですが、そうなれば見晴しがよくなるのかな?
道を下りるとフェンスがあり、扉を潜って橋を渡ると再び清水寺の境内(地主神社の横)に戻ってきます。子安の塔口からほぼ30分の道程でした。東山一帯(高台寺山国有林)にはまだ歩いていない散策コースがあります。かなりマニアックなことになってきましたが、いずれそこも歩いてみようと思っています。
(一部の写真は先月撮影したものです)
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