お堂でみる阿修羅

公開日 : 2009年10月29日
最終更新 :
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これまであの阿修羅像は興福寺の国宝館でしか見たことがありませんでした。と言うことはガラス越しに見るしかなく、後ろからどころか横からも見ることはできませんでした。そこでこの夏、東京国立博物館まで「国宝 阿修羅展」を見に行こうかとふと思ったりもしましたが、連日の混雑ぶりを知ると、とても行く気にはなれませんでした。

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一昨日(27日)の昼時に行くと観客は思った以上に少なく、待ち時間30分の予告を大きく下回って拝観券購入の列に並んでから仮金堂に入るまでたったの10数分でした。

阿修羅像と十大弟子・八部衆像はどれも高さが150cm前後。釈迦三尊像(360〜362cm)が大きいだけに余計小さく見えます。江戸期の作ということでか、本尊の釈迦如来のみ無冠。他はすべて重要文化財(国宝含む)です。

主役は言うまでもなく阿修羅像。八部衆の中から一人?だけフィーチャーされ、長旅の疲れも見せず本尊の前でスポットライトを浴びている感じです。ガラス越しの拝観ではありませんが、残念ながら後ろから見ることはできず、横顔も遠くからしか見ることができませんでした。一同が舞台上に展開した様は、東寺の立体曼荼羅を彷彿させます。荘厳ではありましたが、宝塚歌劇のレビューのような華やかさも感じました。(変かな?)

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北円堂は予告通りの30分待ち。お堂が小さいので観客の流れが滞るためのようで、いつもなら鹿しか入れない芝生地に長い列が連なっています。平家の焼き打ち(1049年)後に再建(1210年)された北円堂は興福寺で最も古い建物で国宝。中に納められた運慶作の弥勒如来坐像と無著・世親菩薩立像、そして四天王像もすべて国宝です。北円堂は境内の隅にひっそりとした感じで立っているのですが、実は大変なお宝なのです。と言うか、実は興福寺全体が国宝・重文だらけ(全83件)なのです。

興福寺は来年(2010年)、創建1300年を迎えます。これに伴い、2015年頃の完成を目指して、永年果たせなかった寺の中核となる中金堂の再建計画が進められています。そしてそれまで今回のような催しはもうなくなるのでは…と勝手に思い込んでいますが、そんな思いもあって今回の公開は少しでも興味のある方には是非お薦めしたいです。

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興福寺境内では、現在、以前は知らずにその上を歩いていた南大門跡の発掘調査も行われています。また隣の奈良国立博物館では恒例の正倉院展が開催中です(10月24日〜11月12日)。芸術の秋をたっぷり満喫できると思います。今のところどちらも平日の夕方は大分空いているようです。

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