この像だれ?レーニン、資本主義に屈する?!ラスベガス・レーニン事件

公開日 : 1999年04月05日
最終更新 :

マンダレイ・ベイのレストランが話題と前回書きましたが、なんと!話題というか、問題になっていました。フロリダに第一号店がある「レッドスクエア(赤の広場)」は、その名からお察しの通り、旧ソビエト連邦の香りがプンプンする、ヴォッカ・バー&レストラン。冷戦時代のアメリカではとても考えられなかったこのテーマが登場するなんて、時代は変わったものです。

「資本主義が、世界を制し冷戦を圧勝した」と言わんばかりに、バーには「お金」で買い付けてきた、モスクワのポーランド大使館元所有の巨大シャンデリアが飾られていて、アメリカ人の高笑いが聞こえてきそうです。

しかし、その高笑いを止めたのは、お店の脇にそびえ立つ約5メートルものレーニン像。ソビエト連邦が崩れさると同時に、その社会主義崩壊の象徴のように、市民の手によって倒されゆくレーニン像の光景は皆様の記憶にも新しいはず。

レッドスクェアのテーマに沿って、「レッド」の象徴でもあるそのレーニンの像を、「敵国」であったアメリカに復活させちゃったのだから、もう大変。やっぱりアメリカでの冷戦の傷は癒えていなくて、しかも、レーニンは、アメリカが愛する「自由と人権」の敵であると見なす人も多く、抗議が続出。地元新聞やラジオでも討論されるほど騒ぎが広まりました。

あまりの抗議の多さに、マンダレイ・ベイは当惑し、考え付いた苦肉の策はレーニンの頭の部分を取り除くこと。しかもただ単に取り除くだけではなく、まるであの崩壊時のごとく市民が乱暴に像を破壊したように、ペンキを使って「汚く」もぎ取られたように細工され、レーニンの頭は、カジノ・オープン後一ヶ月もたたないうちにラスベガスから姿を消して行ったのでありました。BGM:再度、資本主義国市民の高笑い。

地元の新聞「ラスベガス・サン」HPに、オープン当初の、頭部がまだあるレーニン像の写真が載っています。この写真を見てから、レッドスクエアを訪れると、違いがわかるかと思います。しかし、頭部がないとなんの像だかわからず、なぜそこに首なしの像があるのかさえもわからない方が今後続出するはず。今でこそ話題にあがって人の記憶に新しいですが、いつかそれがレーニンだったことも忘れられて、首なし像自体あまり趣味の良いものではないので、像全体が取り除かれてしまう可能性もあり。

ちなみに、バーのカウンターは必見です。なんと、カウンターそのものが、端を除いて氷で出来ているからです。もちろんこれは、冷たいヴォッカを冷たいまま提供するため。ヴォッカのボトルキープも出来て、ボトルは氷点下20度以下の巨大冷凍庫に保管してくれるそうです。その冷凍庫にはお味見用のテーブルがあって、極寒の中で一杯くぃーっとやると、ヴァーチャル気分で真冬のロシアに一っ飛び。寒いじゃないかですって?そこは大丈夫、ロシア気分を満喫出来るよう、小道具も揃っていて、ちゃんとロシア風のコートと帽子を貸してくれるそうです。もう脱帽。あっ、そんなこと冷凍庫でしたら耳が凍ってしまうのでした。

ディナーは午後5時30分から真夜中の12時まで。百種類以上のヴォッカを提供するバーは午後5時30分から朝の2時まで(ただし木金土は3時まで)。食事のお値段は8ドルから18ドルが中心で、ロシアのエッセンスが入ったヨーロピアン・フードが中心。ロシアといえば欠かせないキャビアも10種類位揃っています。もっとも、その中には、サーモンの卵(鮭の卵=いくら)というものあって、キャビアとは言い難いのですが・・・・・・いくらとヴォッカの取り合わせもオツなのかな?

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映画ブルース・ブラザーズやゴースト・バスターズでお馴染み、コメディ俳優のダン・エイクロイドもオープニングに登場、ナイス・バディのマンダレイ・ベイ・ガールズに囲まれて鼻の下が・・・・(中)、

一階の立ち見席なら、憧れのミュージシャンがこんなに間近に見られる、ハウス・オブ・ブルースのステージ(下)。

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