観光にも便利な、ラスベガスの優れたバス・システム-SDX
ラスベガス滞在中のお買い物、特にアウトレットに行く際に
ストリップを走る急行バスを利用される方も多いのでは?
この2両連結のバスは、北と南のアウトレットを結んでいるうえ、フリーモントストリートや
タウンスクエアなどにも停車するので、観光用の足として考えると、以前に比べて大分便利になった感があります。
実はこの急行バスのシステム、非常に優れたBRT(バス高速輸送システム)として評価されているんですよ。
ITDPという公共交通システムの研究機関のリポートによれば、ロサンゼルス(カリフォルニア州)・
クリーブランド(オハイオ州)・ピッツバーグ(ペンシルバニア州)・ユージーン(オレゴン州)
での同様の各システムとともに、ここラスベガスのBRTも国内の最も優れたシステムのひとつとして、
このたびお墨付きをいただきました。
現在ラスベガスでは、ダウンタウン・ストリップ・コンベンションセンター・ノースラスベガス・
ヘンダーソン(お隣の町)の間を結ぶ路線でこのBRTが取り入れられていて、
ストリップの北と南をつなぐこの急行バスはその一路線ということになります。
ちなみにこの路線、昨年運行が始まった時には「ACE」という名前だったのですが、
その後名前が変わり、現在では「SDX(Strip & Downtown Express:ストリップ&ダウンタウン
・エクスプレス)」と呼ばれていて、以前から走っている2階建てバスの「Duce」路線とともに、
観光客の皆さんの大事な足のひとつです。
SDXに乗られた方はお分かりかと思いますが、この路線はダウンタウンのエリアに入ると、
道路には一般の車とは別に専用のレーンが設けられていて、スムーズに走ることが可能に
なっているんですね。
また、少ない停車回数、車内ではなく停留所での乗車券購入、2両連結のバスで3ヶ所の乗降ドアなど、
乗り降りにかかる時間を短縮することで、路線全体でのスピードアップも図られています。
**今まではダウンタウンにあるのが「プレミアアウトレット」、マンダレイベイホテルの少し南
にある方は「ラスベガスアウトレットセンター」 という名前でしたが、今はそれぞれ
「プレミアアウトレット・ノース」「プレミアアウトレット・サウス」と統一した名前に変わりました。
利用しやすく明るい雰囲気になっています。
もちろんBRTは観光用だけでなく、住民の足としても大切なシステム。
各BRT路線を相互に利用できるよう、4ヶ所のトランジットセンターが作られ、ラスベガスと周辺全体がくまなく結ばれます。
これにより、たとえば遠くの町からダウンタウンに通勤する人たちも、トランジットセンターで
自家用車からバスに乗り換えてオフィスへ向かう、といったこともできるようになりました。
つまり専用レーンの導入や乗降時間の短縮、便利な乗換えシステムによって、
より長い距離をより早く移動することが可能になったわけです。
このBRT、利用する住民にとっては、日に日に上がるガソリン代の節約にもなりますし、
交通機関からすれば、新システムと言っても路面電車やライトレールと違って、すでにある道路を
そのまま利用できるわけなので、コストも低く抑えられる画期的なシステムということのようです。
実際このバスに乗ってみると、車体の作りのせいもあるのでしょうが、路線バス独特の急発進や急停車もなく、
電車に乗っているような落ち着いた乗り心地で、窓の外の風景をのんびりと楽しむことができます。
まあ、急行とは言ってもそこはバスですから、タクシーに比べるとやはり時間は余分にかかりますが、
急ぎの予定でないときには、ぜひこの路線に乗ってストリップを車窓で楽しんでみてはいかがでしょうか?
SDXの路線マップ・タイムスケジュール・料金.pdf)(2011年5月現在)(英語版PDFファイル)
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筆者
アメリカ・ネバダ州特派員
石川 葉子
ラスベガスに来て20年ちょっと。ローカルツアーオペレーター出身のフリーランスライターです。
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