やる気のない巨大な本屋、フォイルズ

公開日 : 2008年02月21日
最終更新 :

ロンドンで本屋といえば、まず名前が上がるのが巨大店のフォイルズです。

公務員試験に落ちたウィリアムとギルバートのフォイル兄弟が、一層のこともう教科書を丸ごと売却処分してしまおう、と1903年に一斉に大量の本を売りに出したのがきっかけ。以来、店の規模は拡大し、一時は総計約50キロに達する本棚の長さでギネスブックにも掲載されていたほどでした。

ただこの本屋をさらに有名にしたのは、ウィリアムの娘クリスティーナ・フォイルが店を継いでから始まった「やる気のなさ」です。とにかく変化を頑なに拒むクリスティーナのそれは、電話での注文受け付けは一切やらない、商品のオンライン登録を行わない、店がどんなに古びても改装しないなど徹底していました。

大変なのはお客です。商品がオンラインで管理されていないので、ほんの10年程前まで、この店で本を買おうとするためには?本の注文表をもらうために並ぶ ?お金を払うためにまた別の場所に並ぶ ?商品を受け取るためにまた別の場所に並ぶ、という3段階の手続きを経なければなりませんでした。ちなみにこの方式、19世紀後半のビクトリア朝時代に利用されていたシステムらしいです。

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さらに悪評高かったのが本の分類。多くの本屋で見られるような作家別、分野別ではなくて、出版社別に棚が分かれていたのです。これも利用者というより、お店側の便宜を図った結果でしょう。

クリスティーナが1999年に死去して、その後を継いだ甥のクリストファーはさすがに抜本的なシステムを改革に着手しました。現在は普通の本屋と同じように、随分と利用しやすくなっています。

でもこんな奇妙奇天烈な場所が愛される所が、いかにもイギリスらしいと言えるのかもしれません。

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Foyles

113-119 Charing Cross Road

London

WC2H 0EB

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