建設中の廃墟!? マニラ面白アイテム1

公開日 : 2014年01月27日
最終更新 :
筆者 : Okada M.A.

80年代に「路上観察学」が流行ったことがあって、マンホールの鉄蓋のデザインの違いの機微とか、二階に付いてて空中に出ていくしかないドアとか、幅が2m 程しかないビルなど、街の中の面白アイテムを嬉しむというコンセプトの面白学問でしたが、このマニラは、それこそ面白アイテムの宝庫!

その中から今回は、「建築中の廃墟」!?

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(写真1 )外見上はすでに廃屋になって、崩れ始めているように見えるのに、実は家の中では大家族が元気に暮らしており、良く見たら崩れかけているのではなく、建築中の物件で数年間放置してあるため、苔が生えたりサビが出てスゴイことになっているのに、あくまで施主本人は建築中のつもりの物件。なので名付けて「建設中の廃墟」。

もちろん、住んでいるのは土地建物の所有者で、間違ってもマニラで社会問題になっている「スクワッター」(不法占拠者)ではありません。

これがまた本当に数年後に建築が開始されるのだから、日本の役所の土木科が聞いたら頭に血が登ってしまいそうな、大工の頭領が聞いたら呆れ返ってしまいそうな現実が、マニラでは当たり前のようにあって、ここかしこに同様の物件だらけ。

まるで、完成に200年かかるといわれ、初期に建築終了した部分は既に古くなって補修が必要になっているものの、未だに建設中のバルセロナのサグラダ・ファミリア大聖堂の様な悠長な話。

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(写真2) 一見廃ビルのようだが、中では大家族が暮している。それどころか、すでに3階建てだが、4階方向と、トタン屋根の方向に鉄筋が伸びており、増築意欲が見える。外見に比べるとかなりしっかりした窓のアルミサッシが入っており、こういう場合は、内装は見違えるようにしっかりしているのが常。

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(写真3.) 私の近所のこの家は2年前から知ってますが、最近目出度く1階が完成した模様。2階は苔が生えてコンクリートに傷みも出ているものの、絶妙のバランスで花木が植栽されて、何か「わびさび」の感覚さえ感じられる。。。

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(写真4.) こちらは「サッシ/ガラス」屋さんの家。流石に本業らしく窓などは商品見本も兼ねているのか、かなり立派な作り、勢い余って二階にアルミの引き戸も取り付けてしまい、「路上観察学」の格好の学術対象に。。。

5. 建設中の廃墟_140127.jpg

(写真5.) カトリック教会のチャペルでもこれは屋根部分がコンクリートの打ちっぱなしのまま放置され既に数年。鐘楼だが、鐘も取り付け部品が放置されたまま。 寄付が集まるまで待っているのだろうか。。。

マニラにいて、普通の人々に接していると、いつの間にか自分だけがあくせくして回りから浮いてしまい、「あれ!?」と思うことがよくあります。それもこの「建設中の廃墟」の感覚がある限り、やっぱり私はそのギャップを埋めるムズカシさを痛感するのでした。。。

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