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2017年1月26日

オーストラリアの建国記念日「オーストラリア・デー」、受け止め方も様々


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オーストラリアの建国記念日「オーストラリア・デー」、受け止め方も様々

Australia Day crowd.jpg



今日1月26日はオーストラリアの建国記念日「オーストラリア・デー」です。

日本にいると、建国記念日の2月11日は、単なる休日として過ぎてしまいがちですが、オーストラリアでは、立場によって様々な意味を持っています。



オーストラリア・デーの制定


まず、1月26日が建国記念日として制定された理由ですが、この日は、今から229年前の1788年に囚人を連れたイギリスの艦隊11隻がシドニー・コーブに到着した日なのです。その頃オーストラリアは、イギリスの囚人、主に政治犯の収容所でした。

これだけでは、オーストラリア・デーはあまり良い感じのする祝日のようには聞こえないかもしれません。実際、まだネガティブな面もあるのですが、その一方で大多数の人にとっては、一オーストラリア人として、誇りを感じる大切な役割を果たしている日でもあります。

原住民にとってのオーストラリア・デー

Indig2.jpg
イギリスの船が最初に来た時のアボリジニーの様子を描いている。

出典元 : Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=506892

1788年にイギリス人が来るまでは、オーストラリアには、5万年以上もの長い間、アボリジニーと呼ばれる原住民が住んでいました。ですから、このアボリジニーにとっては、1月26日は「侵略の日」になっています。

アボリジニーについては、詳しいことはまた別の機会で触れたいと思いますが、昔の植民地ではどこでも原住民との葛藤があったように、オーストラリアにも原住民を弾圧した暗い時代がありました。

ただ、近年になり、オーストラリア政府は、原住民に対し、社会福祉的な面で特別の待遇を受ける権利を与えてきました。更に、2008年2月13日、当時の総理大臣であったケビン・ラッドが、原住民に対して、それまで起こった悲しい出来事について正式に謝罪の意を表明しています。

それ以降、原住民との関係は進展したように見えますが、まだ一部に反感を抱いている人もいるようです。その一つが、オーストラリア・デーになると、必ず行られるアボリジニーによるデモです。

移民にとってのオーストラリア・デー



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オーストラリア・デーの市民権獲得者への証書の授与式。2011年、当時連邦政府の首相を務めていたジュリア・ギラードが証書を受賞者に手渡している。

出典元: By DIAC images - Australia Day Citizenship Ceremony 2011, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=24284851

移民の国オーストラリアにはたくさんの民族が住んでいます。2015年のオーストラリアの統計局( Australian Bureau of Statistics)のデータによると、オーストラリア全人口の内、海外で生まれた人の割合は28%、つまり4人に1人は移民ということになります。

民族の数にすると、少なくとも53の民族が住んでいて、多い順に1位から10まで並べると、イギリス、ニュージーランド、中国、インド、フィリピン、ベトナム、イタリア、南アフリカ、マレーシア、ドイツ、の順になります。

移民は通常正式に移民局を通して受け入れられますが、近年ではイラクやシリア、そして30年ほど前はベトナムから船に乗って直接やって来る難民も受け入れていました。

この記事では、海外から来た人すべてをまとめて移民と呼びますが、そうした人たちはすぐに国籍を取れる訳ではありません。帰化するには、次のような条件を満たす必要があります。

・永住権(市民権とは違い選挙権がありません)を取ってから1年以上たっていること

・その間に、12か月の内9ヶ月はオーストラリアで生活していること

・上記の条件で4年間オーストラリアに住んでいること

・移民局が実施するテストに合格すること  

このような条件が満たされると、晴れて市民権を獲得できますが、市民権証書の寄与式に出席することも要求されます。寄与式は条件が満たされてから6か月以内に、自分の住んでいる市の市役所で開かれますが、一番大きな寄与式がオーストラリア・デーに開かれます。

ですから、移民にとって、オーストラリア・デーは、正式にオーストラリアに帰化できるうれしい日なのです。

その他の一般市民にとってのオーストラリア・デー

それ以外の人、ここでは一般市民と呼びますが、そういった人にとって、オーストラリア・デーはただの休日の場合もありますが、その他の多くの人にとって、オーストラリア人であることを誇りに感じる祝日になっています。そのため、各地でフェスティバルやイベントが開かれます。

メルボルンの場合は、メルボルンの市街地で各民族によるパレードが行われます。このパレードにはそれぞれの民族衣装を着た民族グループが参加します。

また、ミュージックを中心としたフェスティバルも開かれ、夜は花火で締めくくります。

Festival 1.jpg


各地で、ミュージックコンサートなどのイベントが開かれます。



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ビンテージカーの展示は人気です。

Festival 3.jpg



今回は海岸に近い新しいエリアが会場になりました。

オーストラリア・デーには、功績のあった人を授賞する式典も開かれます。特に大きな功績のあった人には「Australian of the Year(今年のオーストラリア人大賞)」が授けられ、功績のあった若者には、「Young Australian of the Year(今年の青年オーストラリア人大賞)」が授けられます。

今年のオーストラリア人大賞はクィーンズランドで生物化学の研究活動を続けているアラン・マカイシム教授に授けられました。授賞の理由は、マカイシム教授が行ってきた半身不随者の身体の動きの復帰の研究が社会に貢献してきたことです。

また青年部では、ファッションデザイナーのポール・バシレフ氏が、幅広い国際的なファッションデザイン活動に対して賞を受けています。

オーストラリア・デーでユニークなもう一つのイベントは、通常あまり見ることのできない政府関係の建物や展示物を一般に公開することです。

Governor house.jpg


ビクトリア州の総督官邸

代表的なのが総統官邸 (Governor House)の一般公開や今は博物館となっている旧大蔵省(Old Treasury Building)に飾ってある絵画のガイド付きツアーなどす。

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旧大蔵省の建物内に展示されている絵画。昔のメルボルンの街を描いています。



今年のオーストラリア・デーには、もう間に合わませんが、来年以降、チャンスがありましたら、ぜひオーストラリア・デーのイベントに参加してみてください。

立場によってとらえ方の違うオーストラリアの建国記念日「オーストラリア・デー」。それがどんなものか感じ取ってもらえると思います。



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カテゴリー イベント・行事・お祭り エンターテイメント・音楽・ショー 文化・芸術・美術
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