ミラノより、新年のご挨拶

公開日 : 2001年01月11日
最終更新 :

読者の皆さま、Buon Anno! 楽しいクリスマス、お正月を過ごされましたか?私は21世紀の幕開けと共に風邪を誰かからうつされたようで、のどの痛みにたえながらこれを書いております。年末のミラノがすごく寒かったというのも原因の一つなのですが、そんな寒さの中、大晦日の夜にドゥオモ広場に繰り出すなんていう、今考えれば体が凍りつきそうなことをしたのもいけなかったのかもしれません。イタリアの人たちにとってお正月、いわゆる『元旦』はクリスマスと違ってその日に何をするかということはあまり重要性がないようです。大晦日のほうがどちらかというと行事やイベントは多く、『チェノーネ』といわれる夕食会を友人とレストランで行ったり、誰かの家で真夜中にシャンパンを開けたりして大騒ぎするのがこちらではお決まりのパターンです。除夜の鐘の音を聞きながら静かに穏やかな新年を迎えるなんていう雰囲気は皆無。元旦の日は前日夜中まで騒いだため、疲れて寝ている人がほとんど。それに1月2日から仕事始めという人がたくさんいるのも事実です。お正月用の特別料理というのは聞いたことがありませんが、大晦日にツキモノのお料理はあります。それはレンティッキエ(レンズ豆というのだそうです)という平たいお豆を煮たもので、この豆がお金の形に似ているところからこれを大晦日にたくさん食べるとお金持ちになると言われており、大晦日の夜は『コテキーノ(巨大ソーセージ)のレンティッキエ添え』を食べる人が多いようです。今年ミラノでは大晦日の夜、ドゥオモ広場でコンサートが開かれ、その後真夜中からスフォルツェスコ城で花火が打ち上げられました。花火はなかなかきれいでしたが、スフォルツェスコ城に近づくのは至難の業で、お城と花火が一緒に写っている写真など撮れるはずがありませんでした。新年を迎える12時のカウントダウンが終わると、周りにいた人たちと「Buon Anno!」「Auguri!」といいながらもキスを交わし、新年を迎えた喜びを分かちあいます。花火の打ち上げと同時に、誰かがシャンパンを勢いよく開けたらしく私も寒い中、頭上からシャンパンのシャワーを浴びてきました。ミンクの毛皮のご婦人だってこんな攻撃にあっても楽しげに笑い過ごしていましたが、そんな光景を見て私は『イタリアのマダムはさすが!』と感心してしまうのでした。実はミラノの街頭でこんな風に新年を迎えるのは私にとっても初めての体験。(パリやロンドンの街頭なら新年を迎えに行ったことあったのですが)ドゥオモ前には歩くのもままならないほどたくさんの人が押し寄せ、ちょっと怖いくらいにぎわっていました。あちこちで爆竹は鳴っているし、ぶつかり合うほどの人手にもかかわらず若者はたばこの火を燻らせながら歩いている...。初体験の正直な感想は『何もなくてよかったー』です。

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あんまりよく見えないと思いますが、雰囲気だけは伝わるのでは?

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