オレンジ合戦のカーニバル

公開日 : 2004年02月29日
最終更新 :

カーニバルの季節が今年もやってきました。ベネチアのカーニバルは仮面の美しさで知られていますが、イタリアではオレンジ合戦を行う一風かわったカーニバルがあるのをご存知でしょうか?

トリノのさらに北にイブレアという町があります。そこで開催されるカーニバルは、オレンジ合戦で有名なのです。文字通り、町の中で、観光客も交えて激しいオレンジ投げが繰り広げられます。

このオレンジ投げの行事、どうしてイブレアで始まったのかというと、その起源は中世に遡るそうです。当時、暴君の圧制に苦しんでいた民衆が、民衆一揆を起こし、城を破壊したという歴史に由来します。イブレアのオレンジ投げは、民衆の自由の象徴といえる行事なのです。

またこのカーニバルには、マドンナ役としてヴィオレッタという女性がでてきます。

このヴィオレッタは、民衆が城を破壊したという歴史上の事実に基づいてつくられたお話の中に出てくるヒロインです。

お話の中では、ヴィオレッタは町の粉屋の娘で、横暴な君主の乱暴にもひるまず、暴君のもとから逃げ出すことに成功した勇気のある女性のシンボルということになっています。

このヴィオレッタ役は毎年、イブレアの町の若い女性の中から選ばれ、仮装行列の時にも一段と目立つ役割をつとめます。

オレンジ合戦は、馬車に乗って民衆を痛めつける暴君の衛兵たちと、馬車の下から徒歩で追いかけ抵抗する貧しい民衆たちとの戦いのシーンをイメージしています。実際にカーニバルに行った方はご存知だと思いますが、このオレンジ合戦は怪我人がでるほど大まじめに行われます。戦いの後には町の通りはオレンジで埋め尽くされ、靴もオレンジの汁でびしゃびしゃになるほど。

戦いに参加せず、観戦に専念しようという観光客は、目印のために赤い帽子をかぶりますが、たとえ赤い帽子をかぶっても、一度はオレンジをぶつけられることは覚悟で行った方がよいでしょう。

今年のイブレアのカーニバルは2月21日~24日まで開催されていました。来年の旅の予定に、このイブレアのカーニバルを入れてみてはいかがでしょうか?

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。