テロから2週間 ミラノの現状とイタリア人警官からの忠告

公開日 : 2015年11月26日
最終更新 :

 パリの同時多発テロから2週間がたちました。

他のイタリア在住の方が特派員ブログで報告されているように、私にもミラノ総領事館から緊急メールが届きました。

イタリア国内の軍事施設、各外国大使館、総領事館、大型ショッピング施設、また空港やターミナル駅には用がない限り近づかないことなどの注意事項がありました。

 イタリア国内では、FBIから「イタリアでテロのターゲットになっているのは、ローマのヴァチカン市国のサン・ピエトロ寺院やミラノのドゥオモ、スカラ座」という警告があると報道されています。

ミラノにいて感じるのは、駅や観光地、サッカースタジアムの警備に関わる人が多くなっている点でしょうか。

Duomo 2.JPG

 21日にフランス国境に近いトリノ市で、マドンナのコンサートとセリエAユヴェントス対ACミランのビッグマッチが行われました。この日、コンサート会場周辺も厳戒態勢で、ユヴェントス戦には約650人が特別に警備にあたり、観客の荷物チェックなどを考慮して開門時間も通常より1時間ほど早かったそうです。

 18日にはローマのアメリカ大使館近くのヴェネト通りのバス停に、持ち主不明のバックが置き去りにされており、中身がチェックされました。結果的には危険物は発見されなかったようです。

Stazione C.le 1.JPG

 ムッソリーニ時代に建てられたミラノの中央駅も、以前に比べるとパトロールする警官の姿が多く見受けられました。

 そこで、イタリア人の友人で警察官のF・D氏にこの時期、どんなことに気をつけるべきか、ミラノでどう過ごせばよいかアドバイスを仰ぎました。

彼は警察官になって16年で、現在は南イタリアのレッジョ・カラブリアの警察署勤務ですが、ミラノのリナーテ空港で5年間勤めていたことがあります。

Linate.JPG

 「もちろん、不特定多数の多くの人が集まる場所は避けたほうがいい。現状では100%安全が確約されている場所なんて世界のどこにもない。ただコントロールは強化されている。私達も国民やこの国を訪れる人たちのために、駅や空港などを中心に最大限の警備の努力をはらっている」と、話してくれました。

 また具体的には「公の場でほったらかされている持ち主がわからないような荷物には十分に注意すること」とした上で、こう続けました。

 「通常の生活を毎日続けるよう努力してほしい。できるだけ早く、平和な世界が戻ってくるよう願っている」。

 バリ在住の友人も「テロ後、パリジャンはテロへの反撃とばかりに、努めて楽しく過ごそうとしています」とメールにつづっていました。

 当たり前の日常に感謝の気持ちを忘れないようにしていきたいものですね。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。