スシに果物ソース、茶ソバは日本茶に蕎麦!? イタリアで謎の日本食にあ然
イタリアに住んで十数年。日常は大抵のことでそう驚きませんが、たまに価値観がひっくり返るほどびっくりすることがあります。その一つが謎の日本食(和食)です。
昨年のミラノ・エキスポをきっかけに、食に関しては極端に保守てなイタリア人や、またミラノもインターナショナルな食に目覚めたようです。
大流行しているのが、スシの"変化球"アレンジ料理です。
近所の日本食レストランがクローズしてしまったため先日、最近オープンした「Temakeria Bomaki」というレストランに初めて行ってみました。店名の通り、裏巻きをメーンにしたスシ・レストランです。
頼んだのは鶏の照り焼き風裏巻きと魚の裏巻き二種類で、照焼き風には甘辛いテリヤキソースがかけられていました。
うかがった平日の夜、オープン直後の店内はがらんとしていました。壁には鮮やかなペインティングで、日本のイメージのイラストが描かれています。
しかし、午後9時になるとあっという間に30席ほどの店内は予約客で満席に。イタリアの人たちがうれしそうに様々な裏巻きをオーダーし、お箸を使ってウラマキズシを楽しんでいました。
メニューには「トロピカル巻き」というフルーツソースを使用した裏巻きもありました。それもそのはず、このお店はブラジル人が経営するレストランだったのです。ミラノ市内に3店舗とチェーン展開しており、どうやら大人気のようでした。
店の名前は、ウラマキ・レストランという意味でイタリア語化したもののようです。
つまり、ピッツァ→ピッツェリア(ピザ→ピザ屋)、ジェラート→ジェラテリア(ジェラート→ジェラート屋)にみられるように裏巻き→ウラマケリア、ということでしょう。
調べてみると他にも「Temakinho(テマキーニョ)」というブラジル人経営のレストランがミラノの中心地などにあり、ここでも手巻きとカクテルをメーンにしたオシャレ路線で若者向けのコンセプトを打ち出しています。ミラノだけでなく、ローマ、スペイン・イビサ島にも支店があります。
ウラマケリアで私は正直「こんな裏巻きもあるんだ」と、淡々とした気持ちでした。でも一緒にいた友人(イギリス人)は「これはスシじゃないよ。1回試したらもう十分」と不機嫌でした。
これはスーパーで売られているスシ。回りにまぶしてあるのはかつお節? それとも白ゴマでしょうか?
笑い話にできないエピソードがあります。
もう10年近くも前の話です。仕事でパルマという街に行き、同僚たちと夕食のため日本食レストラン(中国人経営)に行きました。メニューに「茶そば」を見つけた私達は、「イタリアで茶そばが食べられるなんて・・・」と喜んでオーダーしました。
すると、出てきたのはどんぶりに日本茶が注がれ、茹でた日本蕎麦が入った一品だったのです・・・・。私達は誰もが絶句するしかありませんでした。
またミラノ市内住む日本人友人は、中国人経営の日本食レストランで「焼きそば」を頼んだところ、麺が日本蕎麦だったそうです。焼いた日本蕎麦にソース味の「焼きそば」。彼女は「しかも8ユーロ(約1000円)もしたんだよ」と怒っていました。
と、ここまで中国人経営の日本食レストランのありえない日本料理事情を嘆いてしまいました。ですが、彼らが売りにしている「日本食食べ放題!」(スシ、中華料理のメニュー。だいたい16~18ユーロ=約2200円)システムが、ミラノで大ヒットしていることをつけ加えておきます。
「ulamakeria bomaki」
http://www.bomaki.it/
「temakinho」
http://www.temakinho.com
※3月のお題 "変な日本食"
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。