Piropo(ピロポ)、この悩ましきもの。

公開日 : 2012年08月20日
最終更新 :
筆者 : Mariana

さて、今更なんですが、ウルグアイにもpiropo(ピロポ)の慣習があります。

ピロポとは、男性が道行く女性に声をかけるって慣習です。 日本ではラテン諸国のステレオタイプとして認識されているとおもいますが。

自分がブエノスアイレス以外の他の南米の地域を知らないので、比較に基づいて言えませんが、ラテンのステレオタイプらしくないシャイな国民性のせいか、ウルグアイは控えめな方だと思います。

特にインテリオール(モンテビデオ県以外の地方)では、堅気で純朴な人が多いので、殆どないと思われます。

それでもまあ、なんやかや言われる時はある訳です。

内容は「よしよし、よく言えました。」と褒めてやりたくなる(上から目線)ものから、「いっぺん死んで来い!!」と思わず後ろ頭に叫んでやりたくなるようなひどい物まで、非常にバラエティ豊か。

一番普通の対応は、無視です。相手も条件反射でやってることなので、返事なんて期待しておりません。

とはいえ、このピロポ、男性→女性からと一方通行だし、かなり気分が悪くなる下品なものも多いので、立派なセクハラだということで、アルゼンチンではアンチピロポのキャンペーンも行われています。(確かに日本だとセクハラですよね...。)

ウルグアイではそんなにひどくはないのですが、ここで困るのは、ピロポの名を借りて堂々と横行しているあからさまな人種的差別発言行動。

ウルグアイで外国人、特に東洋人をやってると特に注意を引くので、「China(チーナ・中国人)!」「Chinita(チニータ)!」「Coreana(コレアナ・韓国人)!」と、それはそれはかしましい。

ピロポの慣習の延長か、女性の方が怒られにくいと見てか、女性の方が言われる確率が高いようです。

特に教育が行き届いていない層は、子供から大人までやります。特に子供達はやーいやーいと、それはかしましくはやし立てます。正直言ってかなりイラっとさせられて、「そんなにガイジンが珍しいか!!!」と叫びたくなるんですが、珍しいんですよね、ほんとに orz。

ウルグアイは外資系企業もそんなに無いですし、移民の国とは言え、移民はヨーロッパ(主にスペイン)からの移民が来て以降、そんなに世界的に移民が来てる訳ではないですからね...。

さらに言えば、アジアまで旅行する人なんて滅多に居ないので届く情報と言えば、ハリウッド映画の描いた奇妙なアジア人か、インターネット経由で届く日本のオタクまたはエロサイト、くらいなもんです。おお、ここまで書いたらここでは如何に我らがイロモノか、良くわかりました。

ここでちょっと解説しますと、ウルグアイ人にしてみたら、東北アジア人の顔はみーんな中国人です。 彼らの主張曰く、中国人も韓国人も日本人もモンゴル人も区別がつかないからだそうで。

で、なぜモンテビデオでは韓国人というワードも出て来るかと言うと、モンテビデオにはモンテビデオ港という南米でも有数の港があるため、魚介類の輸出業に従事している韓国人が多く出入りしてるんですね。ということで、ここでアジア人と言うと、中国人か韓国人か。

見も知らん人間にやーいやーい言われるのにも増して、名前や国籍を間違える事を失礼だと教育されて、日常生活で気遣って来たいち日本人としては、国籍まで間違えられて、文句を言えば「だって区別がつかない顔してるんだもーん。」と責任転嫁のような発言をカラリとされて、かなりイラ〜っとさせられるんですよね。

また、やーいやーいとはやし立てる時に出て来る、お約束のジェスチャーがこれ。↓

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まじ!?こんなことするの!??な絵ヅラなのですが、します。ふつーに。 最初にこのアクションを見た時は、卒倒しそうでしたが。

こういう時にどう対応するべきか、と最初はいろいろ悩んで、いろんな人に話を聞いてみたのですが、通りがかりのヤジやジェスチャーぐらいであれば、やっぱり一番は「無視する事」です。相手がどんな人間か分からないと言うリスクもありますし。

ピロポとは少しテーマがずれますが、もし相手の行動がピロポの域を出て、あからさまな人種差別発言・行動である場合は、対応は人によって意見が分かれるでしょうが、私は相手が話して分かる人間のよう(ある程度教育がありそう)なら、理詰めで話すべきだと思っています。あと子供の場合にも、あからさまに不快感を示すべきだと思っています。彼らの教育の一環として。

言っても分からない人間は、残念ながら無視するしかありません。

閑話休題。 話をピロポに戻しますが、いい物も悪い物も含めて、ピロポとの付き合い方。

自分が一時期かなり悩んでた時に、ウルグアイ男子から、「おっ、と思わない女性にはピロポなんか言わないから!エネルギーの無駄だから!言われるのはいい事だと思いなよ!」と、ウルグアイ男の言い訳のような慰めを言ってもらった事があります。

その慰め自体は説得力が無かったのですが(気の毒に...)、まあ確かに、せっかくの滞在期間は楽しむに越した事はありませんので、ピロポを言われたら「よしよし、今日も私はイケてる。」と思う位がいいのでしょう。

最後に、前述のアルゼンチンのアンチピロポのキャンペーン動画。 ピロポを言われるのがどういう感じか示す為に、女性→男性に向けられてます。

まあ確かに、なかなかこの慣習がなくならないなら、女性も堂々と言えるようになれば平等なんですよね。

この国には、ピロポを言いたくなるような可愛い男子が少なからず歩いてる事も確かですし!

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