matrimonio igualitario (結婚平等法)案、可決
先日の4月10日水曜日、matrimonio igualitario、すなわち結婚平等法案がウルグアイ国会で可決されました。
これにてウルグアイは世界で12番目に同性愛者の結婚を合法化した国となりました。南米ではアルゼンチンに次いで2番目です。
ちなみに、世界ですでに合法化している国は、南アフリカ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、オランダ、アイスランド、スペイン、ポルトガル、ベルギー、カナダ、アルゼンチンです。
同性愛者の権利向上を目指している同性愛者、またその家族や友人達は昨日、新たな権利の獲得をお祝いしました。
世界のニュースでは「同性愛カップルの結婚を合法化」という見出しを見ますが、この法案の内容はもう少し広くて、異性婚の場合であっても、marido(夫), mujer(妻)という記載を排除し、結婚と言う制度に性別による違いを排除したことにより、あらゆる性別の組合せの結婚を可能にしています。
また離婚の際も、既存の法では夫が妻の生活も離婚後も金銭的に維持する義務がありましたが、新法では慰謝料の決定は、結婚が一年以上続いた場合は、一定期間継続して行った家事の配分によってどちらが生活費を受けるかが決まります(支払い期間は結婚生活と同じ期間)。
子供の名字についても、異性愛婚の場合は父の第一名字が子の第一名字、母の第一名字が子の第二名字になりますが、カップル内の合意があれば、その順番を変える事が出来ます。同性愛者に養子に迎えられた子は、名字の順番はカップルの合意により決められます。合意に至らない場合は子供を役所に登録する際にくじ引きが行われます。第一子で決めた順番は変える事が出来ません。
また、なんとウルグアイでは男の子は14歳から、女の子は12歳から(!)結婚が出来たのですが、新法によりどちらの性別の場合も16歳から結婚が出来る事としました。
等々、結婚にまつわる制度に、性別による区別を無くしたのでmatrimonio igualitario (結婚平等法)、なんですね。
同性愛者ではなくとも、例えば子供の第一名字は常に父親の第一名字であったのが、合意があれば母親の第一名字にも出来る、というのは女性の目線から見た平等への一歩前進なのです。
また世の中ではウルグアイはカトリック教徒が60%以上なのに同性愛者の結婚が合法化されたと驚かれていますが、ウルグアイには既に国教はなく、国民も特に若い世代は無信教、もしくは洗礼は受けたけれども教会はとんと行ってないという人間が多数。南米の中ではカトリックの色が薄い国です。むしろお隣アルゼンチンで国教がカトリックであるのに同性愛婚が合法化された事の方が驚きです。
しかしカトリックの影響を強く受けている年配の世代には「同性愛は病気である」と信じて疑わない人も多数居ますし、若者の中でもあからさまな嫌がらせをする人もいます。
実際のところ、まだまだpolitically correctという概念が浸透していないウルグアイ、私もいち外国人として、そして同性愛者の大切な友人たちを持つ身として、性的志向に限らず性別や人種、国籍、身体的困難等を超えた平等な、そしてなにより住み易い社会が早く実現しないかなと思う次第です。
さて、喜びに沸く、可決の瞬間はこちらから見る事が出来ます。
当日は(法案が可決される)下院へ集合!とFacebook等で声を掛け合ってました。
ちなみに動画中に登場したでっかいウイッグのトランスベスティのDulce Pollyさん。パーティを沸かせるコメディアンとして、独身さよならパーティ等々できわどいジョークを連発するお姉さん?です。
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