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日本国内/奈良特派員ブログ 大向 雅

日本国内・奈良特派員が現地から日本地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


78148510-s.png今回は、国営飛鳥歴史公園キトラ古墳地区の四神の館(しじんのやかた)から。


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名前の通りキトラ古墳のすぐ脇に建てられた施設で、地下一階に入りますと現代から飛鳥時代へと遡っていく年表の廊下が、まるでタイムトンネルの様です。


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内部ではキトラ古墳の作り方や、古墳の石室と壁画が再現されるなどして、誰でも分かりやすく楽しく学べるような造りになっています。


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石室上部に描かれていた天文図も再現され、CGを駆使してかなりドラマチックな仕上げとなっています。

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壁画の発見から保存にいたるまでの歴史も克明に記されていますし、明日香村の保存と暮らしなどについての映画も上映されているので、かなりの見応えのある施設だと思います。

そして上に上がって一階は、キトラ古墳壁画保存管理施設となっていて、実物の壁画や出土遺物を保存管理してあり四半期ごとに修復のなった実物の壁画を見せて頂けます。普段はこのように暗い部屋のカーテンの向こうですが、本番はこのようにけっこう間近で見られます。(要予約)

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そしてこれほどの施設入館料は無料なんです。キトラ古墳そのものに興味を示してくれる人達が今のところ少ないので、他所から見ればこんなところに税金を使って箱モノ建てることは無駄遣いだ!と怒られるかもしれませんが、ここはなかなか有意義な施設だと思います。もう少し全国に広く知れ渡るように頑張ります(≧▽≦)

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そのキトラ古墳といいますのは、高松塚古墳に続いて発見された漆喰が塗られた石室に鮮やかな色彩の壁画が描かれた古墳で、青龍・朱雀・白虎・玄武という、それぞれ東南西北を守護する四神や十二支の顔を持つ人身像が描かれ、天井には本格的天文図が描かれていることでも非常に有名で、学術的にもとても価値の高い古墳なのです。


石室の壁画はすべて薄く剥がされて保存されましたので、石室自体はきっちりと埋め戻されて穏やかな表情です。


キトラという名前の由来は諸説ありまして、地名の北浦(きたうら)が訛ったもの説、盗掘孔から見たときに玄武と青龍が見えたことから「亀」と「虎」でキトラになった説などがありますが、どれもまったく腑に落ちない説ばかりで埋葬者に関しても不明のままではありますが、場所や石室の豪華さ、副葬品の豪奢さから考えても天武(てんむ)天皇の皇子である可能性が高いとされています。


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そのほど近い場所に、第四十代・天武天皇、第四十一代・持統天皇のご夫婦の合葬の御陵があります。


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飛鳥に沢山ある御霊の中でも飛びぬけて風水的にも素晴らしい場所にあり、堂々とした八角形墳であることからも、お二人がいかに国造りに尽力され、愛されていたのかをうかがい知ることができます。

明日香村は本当に多くの史跡名勝がありますので、駅前にあるレンタサイクルで移動されるのをおすすめ致します。最近は電動アシスト付きの車両もありますからアップダウンの多い飛鳥でも楽々ですよ♪


2018年7月12日

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石舞台古墳と同じくらい全国的に知名度があるのが高松塚(たかまつづか)古墳です。


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昭和48年、明日香村で行われていた発掘調査によって、それまでの古墳では見られなかった鮮やかな色彩の壁画が残る石室が発見されました。とても有名な女子群像や男子群像、北壁には玄武、東壁に青龍、西壁に白虎が、そして天井には星宿図とよばれる天文図がそれぞれ描かれています。


残念ながら南側の壁が破壊されていたので、綺麗には残っていませんが当然ながら四神の朱雀が描かれていました。

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この壁画は飛鳥時代の人々の様子が描かれた貴重な資料として、国宝にも指定されたことで大切に保管されてきたはずでしたが…近年その保存環境が悪く壁画の劣化が進んでしまい、石室を解体して古墳から取り出して壁画を修復して保存することとなってしまいました。

そして現在は奈良文化財研究所の施設でゆっくりと時間をかけてクリーニング中です。


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普段は関係者以外は立ち入り禁止の場所ですが、ガラス越しだけど間近でこの本物の壁画を見る機会をいただきましたのでご紹介。


この中の気温は21度ほどで滅菌消毒した人たちが、修復のためのクリーニング作業をされていますが、なにぶん緻密な作業なので本当に大変そうです。

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高松塚古墳の墳丘の横には壁画館というものがあり、発掘当初の古墳の内部を忠実に再現してくれています。これには二種類ありまして、この古墳が造られたころの彩色を復元した壁画と、やや劣化が進んだ現在の状態の壁画とが展示されていてとても興味深い仕上がりですから古墳好きにはたまらないかもしれませんね。

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本当なら墳丘の中に安らかに眠っていたはずなのに、調査研究と保存のためとはいえ1300年を経てから外の世界に追い出されることになろうとは、夢にも思っていなかった壁画たちが綺麗になって再び永い眠りにつける日が来ることを切に望みます。


2018年7月 5日

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明日香村には飛鳥時代の宮殿や住居などの遺跡が数多く眠っており、現在でも毎日のように発掘調査が行われています♪また、古代からの原風景がそのまま保存されている村であり、訪れた方々はとても癒されることから日本の心の故郷と呼ばれたりもします。


実際に一見しただけではただの田舎のように見えますが…


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明日香村という場所は、日本で唯一、村の全域が古都保存法の対象地域であり、歴史的風土保存の対象とされています。

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例えば御神体の山のように注連縄(しめなわ)や鳥居で結界を作り、禁足地として隔離された場所を保存することとは違い、人が普通に暮らしている村全体にある遺跡や景観をできる限り変えないように守り続けていくということは並大抵の努力ではありません。

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「飛鳥」と「明日香」という表記にについて、よく聞かれるので少し解説させていただきます。じっさい両方共に「アスカ」という読みには違いはありませんが、現在では「飛鳥」は飛鳥時代や、飛鳥寺、飛鳥座神社などのような昔ながらの固有名詞に使われていますし、「明日香」は村や学校の名前に使われることが多いです例)明日香村役場・明日香小学校等。

もちろん例外も沢山ありますから、一概にその線引きは難しいですが、私は時代と村の名前で「飛鳥」と「明日香」を分けるようにしています。とはいえ、平成32年度からは正式に「飛鳥ナンバー」というのが認められたとのことですから、両方ひっくるめて「飛鳥」に統一しても良いかもしれませんね。個人的には「飛鳥」の方がカッコ良くて好きです。

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前置きが長くなってしまいましたが…たくさんの史跡名所がある明日香村の中でも、とりわけ有名なのがこの石舞台古墳(いしぶたいこふん)ではないでしょうか。こうしてみると周りに対比するものが何もないので小さく見えますが、実際に中に入ってみますと…とても大きいのです。


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羨道(せんどう)と呼ばれる通路から横穴式の構造で、中に入ることができます。

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玄室(げんしつ)と呼ばれる内部は、長さ7.7m幅3.5m高さ4.7mもあり、とにかく一つ一つの石が大きいのに驚かされます。

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こちらは石棺(せっかん)というもので、被葬者を中に入れて玄室に埋葬するためのいわゆる棺桶です。ただしこちらは復元されたレプリカ。

かつてこのむき出しになっている石を覆うように、土が盛られて、当然葺石で固められていたはずですが、被葬者がよほど怨まれていたのか、もしくはあらためて違う場所に埋葬されたために土を運んでいったのか、今となっては誰にも分かりませんが、とにかくむき出しの玄室が残っていまして、そのおかげで観光名所となっていますから皮肉なものです。


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ちなみに、この古墳の被葬者は江戸時代までは推古(すいこ)天皇や舒明(じょめい)天皇、天智(てんじ)天皇の名も候補に上がっていたそうですが、現在の見解では、古墳のある島庄(しまのしょう)の地にゆかりがあり、かつて島の大臣と呼ばれた蘇我馬子(そがのうまこ)であるとされています。


蘇我馬子といえば、飛鳥時代に最も政治権力を誇ったお方ですから、これくらいのお墓の規模があってもおかしくはないですし、その後中大兄皇子と中臣鎌足によって蘇我蝦夷(えみし)や入鹿(いるか)が討伐されたことを考えると…馬子さんのお墓も荒らされて、石室をむき出しにされてしまったのだろうか…などという仮説も、あながち間違った説でもないのかもしれません。


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明日香村の中には、まだまだこのようにモノを言わぬ遺跡がたくさんありますので、ぜひ古代のロマンを追い求めて歩いて頂けたらと思います。


2018年6月28日
2018年6月21日
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2018年5月31日
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    大向 雅
    京都奈良観光散策 雅流塾の代表 観光ハイヤーの経験と知識をもとに2014年に独自の観光ガイドシステムを立ち上げフリーランスの観光コンシェルジュ“たっしー&たー坊”として活動中 古都奈良にある神社・仏閣や名所旧跡を通して 古代より現在まで先人たちから受け継ぎ育んできた歴史と文化を分かりやすく伝えていきたいと思います。 DISQUS ID @disqus_YaoRmxkTzr

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