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日本国内/奈良特派員ブログ 大向 雅

日本国内・奈良特派員が現地から日本地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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今回は奈良国立博物館の向かい側にある氷室(ひむろ)神社を紹介。

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奈良でも、有数の桜の名所でもある氷室神社は、元明(げんめい)天皇によって710年に藤原京より平城京へ平城京に遷都されたときに、この地へ移されましたが、かつては奈良市の東に位置した都祁(つげ)村にあった氷室でした。


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氷室とは、穴を掘って茅(かや)を敷き詰め、冬期に採った氷をたくさん詰め込んで保存する部屋のことで、現在でいうところの冷凍庫にあたります。真夏ともなればスチームサウナのように湿気と猛暑が凄い奈良の地で、そのように氷を保つことができる技術があったとは、本当に先人たちの知恵には恐れ入るばかりです。

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ご祭神は闘鶏稲置大山主命(ツゲノイナギオオヤマヌシノミコト(名前が長すぎるね(;´・ω・))と仁徳天皇と異母兄の額田大仲彦命の三柱。氷の神様であるツゲノイナギはそもかく、なぜそこに仁徳天皇と兄の額田大仲彦が関係しているのでしょうか。

その答えは「日本書紀」の中にあります。仁徳天皇62年、額田大中彦皇子が闘鶏(つけ)で狩りをした。このとき皇子は山の上から野の中を見ると、何かがあり、使者を遣わして確認させると「窟(むろ)です」と言った。

そこでさっそく闘鶏稲置大山主を呼んで「あれは何の窟だ」と問うと、「氷室です」と答えた。皇子が「その納めたは様子はどうなっているのか。またどのように使うのか」と言うと「土を掘ること一丈余。萱をその上に葺き、厚く茅すすきを敷いて、氷を取ってその上に置きます。夏を越しても消えません。熱い時期に水酒に浸して使います」と言った。

皇子はその氷を持っきて御所に献上すると、仁徳天皇は喜んだ。これ以後、師走になるたびに必ず氷を納め、春分になると氷を配った。と、このような物語が書かれていることによるわけです。

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つまり奈良時代どころか、仁徳天皇の御世にすでに熱い時にはオンザロックでお酒を飲まれていた…ということがちゃんと記録されているんですね。


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毎月1日に行われる献氷灯も綺麗だし、5月1日にはコイやタイを封じ込めた高さ約1mの氷柱が神前に供えられる献氷祭が行われている(これはちょっと怖いね(;´∀`))


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最近では「奈良を氷のまちとして発信したい」との願いを込こめられ、奈良県はもちろんのこと茨城、岐阜、名古屋、大阪といった各地のかき氷の名店も参加されるひむろしらゆき祭という、かき氷のお祭りも開催されて大勢のかき氷ファンが楽しんでおられます。


大阪と京都という両隣のおかげで「美味いものなし!」と揶揄される奈良の食文化観光の、新たな活路となれば良いですよね。


実際にかき氷の他にも美味しいものがたくさんありますので、ぜひ色々と食べに来ていただきたいと思います。


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2019年1月24日

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さて、春日大社の二の鳥居から、本殿へのお参りにつきましては以前にも書かせていただきましたのでサラっといきますが、この二の鳥居の手水舎で手と口を清めて頂いてから、祓戸(はらえど)神社で身のケガレを祓っていただいてから本殿に向かうということはとても大切なことですので、ここでも念のために書いておきます。

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今回は本殿ではなく、南側にある若宮神社を拠点として、15ヶ所の神社及び遥拝所を巡る「若宮十五社巡り」を紹介いたします。この十五社には人が一生の間に出会うであろう様々な難所をお守りくださる神々がご鎮座されています。


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写真にありますように生命、成長、勇気、財宝、衣食住…夫婦円満まで様々なことに対応していただけそうで、何ともありがたい事です。


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若宮十五社めぐりご希望の方は、夫婦大國社で受付を済ませていただき、玉串札を受け取ります。各神社、遥拝所にお参りし、その玉串札を一本ずつ納めていきます。15番目にあたる夫婦大國社に戻り、十五社満願の奉告をしていただきます。これが一連の流れということになります。受付時間は9時~15時となっておりますのでお間違えの無いようにしてください。

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第一番納札所の若宮神社は春日大社の4柱の御祭神のうち、第三殿に祀られる天児屋根命(アメノコヤネノミコト)と第四殿に祀られている比売神(ヒメガミ)ご夫婦の子供神、天押雲根命(アメノオシクモネノミコト)が御祭神です。12月にある春日若宮おん祭は、この若宮様をお迎えして執り行うので、この名前がついています。


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ここから15社すべてを解説しますと大変な量になりますので、抜粋して紹介いたします。
こちらは第三番納札所の兵主(ひょうず)神社と、第四番納札所の南宮(なんぐう)神社です。御祭神はそれぞれ大巳貫命(オオナムチノミコト)と金山彦神(カナヤマヒコノカミ)です。なんだかんだ言っても皆さまが気になる「健康」と「金運」にご利益があるとされていますので、しっかりと顔を覚えて頂きたいところですね。


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15か所の中で、一番高台にあるのは十一番納札所は紀伊神社です。御祭神は五十猛命(イタケルノミコト)と妹神である大屋津姫命(オオヤツヒメノミコト)と抓津姫命(ツマツヒメノミコト)です。こちらの神様は日本国にたくさんの種を蒔き、国土を青々としてくださいました。古代より紀伊国(かつては木の国=現在の和歌山県)に鎮座されているという記述が日本書紀にみられます。


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紀伊神社から少し下がったところに第十二番納札所の伊勢神宮遙拝所(ようはいしょ)があります。遙拝所といいますのは、遠く離れた所から神仏などをはるかに拝むための場所ということです。十五社巡りには、枚岡神社と、春日明神を合わせた3ヶ所があります。


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最後に紹介するのは十五社の中でも最もパワーがありそうな、第十四番納札社の金龍神社です。金龍大神が御祭神ということで、金運などをアップさせるといわれ、そのご利益にあやかろうとする参拝者がたくさん来られます。


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しかし本来は元弘の変において後醍醐天皇側が敗走することになった際、この地で鏡を奉納され、天下の安定を願って祈りを捧げられ、天皇の御住まいをあらわす禁裡(きんり)殿が建てられたことが神社の創建の由来であるともいわれています。禁裏が時代と共に金龍になっていったという説もあり、たんなる金運UPということだけではないパワースポットであることは間違いありません。


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特別な行事でもない限り、こちらのエリアは比較的空いていますので、さまざまな神々がおわす何とも言えない空気を肌で体感しながら、ぜひ十五社を丁寧に巡っていただきたいと思います。

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2019年1月17日

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新年あけましておめでとうございます。今年も初詣は春日大社へ行ってまいりました。まだまだお正月モードですので、電車と徒歩で行くのが定番。ということで電車で近鉄奈良駅へ。


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人の流れのまま地上に出ますと、東大寺の創建に尽力された行基(ぎょうき)さまの噴水があります。渋谷でいうところのハチ公のように、奈良では待ち合わせスポットとして親しまれています。大抵の観光客はそのまま登大路と呼ばれる広い道を上がって行かれますが、それでは面白味がありませんので、少しドラマチックな道で歩いていきましょう。

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まずは、ひがしむき商店街をそのまま南下いたします、少し行ったところの写真館の手前を左(東)に曲がりますと、興福寺に抜ける道になっています。


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やや急な坂にはなりますが、私はこの道こそが興福寺というお寺に向かう一番良い道だと思います。この坂道を上り切った所で後ろを振り返って頂くと驚くほど高台になっています。現在は建物が並んでしまったので想像するしかありませんが、かつては平城京を眼下に眺めることができたことでしょう。

寺領が大きいとか建物が立派だということは誰でもすぐに分かりますが、このような視点から奈良時代に権勢を誇った藤原家の氏寺である興福寺が放つ、オーラというか貫録というものを肌で感じるのもまた一興です。

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それに、この道は北円堂、南円堂の間を抜け、新しく再建された中金堂(ちゅうこんどうの前を通れば、東金堂(とうこんどう)、横には大きな五重塔がそびえ立ち一層このお寺の迫力が伝わってきます。

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色々なルートがありますが、今回は五重塔の前を右手(南)の方へ進んで三条通に出たところを左手(東)に行けば、春日大社の一の鳥居の綺麗な朱が目に飛び込んできます。

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車で春日大社の駐車場まで行けば、二の鳥居の側まで行けるので正直なところ楽ちんです。しかし、少し横入りに対する後ろめたさのような気持ちもありますので、初詣や年末詣といった時には一の鳥居から参道を歩かれた方が、やはり気持ち良いのは間違いありません。

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さて、この一之鳥居をくぐってすぐ右手の土手の上に影向(ようごう)の松といわれる黒松の木があります。かつて春日大明神が翁の姿で降臨され、万歳楽を舞われた地と伝わっていまして、12月の春日若宮おん祭りでは、こちらの前で田楽座・猿楽座などが芸能を披露されます。また、この影向の松は能舞台の鏡板に描かれている老松の絵のルーツとも云われています。

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影向の松(ようごうの松)から歩いてすぐに、よほど気をつけないと通り過ぎてしまうくらい小さな、馬出橋(まだしのはし)があります。一之鳥居から萬葉植物園前の馬止橋(まどめのはし)にかけての表参道の区間は直線になっており、馬場として使われていました。

その始点となるのがこの橋ということで、このような名前がつけられています。現在も若宮おん祭で行われる競馬のときにはこの場所から出走されます。

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参道を歩いているだけでも、とにかく様ざまなものがありますので決して油断できません。例えば、左手にかなり広い芝生の空地のようなものがあります。ここは春日若宮おん祭のときのお旅所です。


つまり、お祭を楽しむために社から出てこられた若宮神が、一泊二日で滞在される神聖な場所ということです。


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当日は正面の一段高い所に若宮神の行宮(あんぐう)が設えられ、その前の芝舞台で神様へ田楽・細男・猿楽・舞楽などの各種神事芸能が奉納されます。その様子はまさに古代から育まれた芸能の歴史を目のあたりにするチャンスですので一度はご覧になっていただきたいと思います。

ちなみに「芝居」というのもこの芝舞台からきているという説もあります。

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次の道路の手前あるこの建物、現在は「仏教美術資料研究センター」として使われていますが、建築家であり建築史学者でもある関野貞(せきのただし)氏によって設計され、1902年(明治35年)に竣工された「旧奈良県物産陳列所」という建物です。内部は洋風イメージですが、外観は奈良の景観に調和する和風の様式となっており、両翼を広げたような形は平等院鳳凰堂の様式を取り入れたものだそうです。また、窓はイスラム建築のデザインであるなど、明治時代らしい古今東西における和洋折衷の贅沢な造りの建物として国の重要文化財に指定されています。関野貞という方は現在の平城宮跡の第二次大極殿の基壇を発見されたことでも有名です。

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さて、道路を渡りまして進みますと、右手には飛火野と呼ばれる広大な鹿の運動場のような場所が広がり、その奥には鹿苑(ろくえん)という鹿の保護育成を目的とした諸活動を行う施設があります。奈良の鹿は天然記念物であり、基本的には野生ですが車にはねられてケガをしたり、病気になった鹿を治療したり、妊娠した雌や生まれたての仔鹿などもこちらで保護されています。


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向かい側には萬葉植物園があります。万葉集に登場する160種類もの植物が楽しめる植物園です。とくに5月の藤の花は圧巻ですので、ぜひその時期に来ていただきたいです。

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一之鳥居より約1.2km歩いて、いよいよ二の鳥居にたどりつきました。


左手には国宝館と駐車場があり、大きめの公衆トイレもあります。この先はしばらくトイレは有りませんので、なるべくこちらをご利用ください。

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ここから先は、また次回に。


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    奈良特派員
    大向 雅
    京都奈良観光散策 雅流塾の代表 観光ハイヤーの経験と知識をもとに2014年に独自の観光ガイドシステムを立ち上げフリーランスの観光コンシェルジュ“たっしー&たー坊”として活動中 古都奈良にある神社・仏閣や名所旧跡を通して 古代より現在まで先人たちから受け継ぎ育んできた歴史と文化を分かりやすく伝えていきたいと思います。 DISQUS ID @disqus_YaoRmxkTzr

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