ホルメンコレン・オープン記念と男女平等

公開日 : 2010年03月04日
最終更新 :

 オスロ市民に長年親しまれてきたスキージャンプ台、ホルメンコレン。オスロで開催予定の2011年ノルディックスキー世界選手権のための改装工事が終了し、3月3日19時に記念イベントが行われました。

 実はこのイベントを祝う傍ら、「男女平等」を巡ってひとつの論争がおこっています。イベント当日はホルメンコレンを一番最初にジャンプする選手として、女性のAnette Sagen選手に決定していました。男性よりも女性が先にジャンプするのは今回初となるため、多くの人々が「男女平等の新たな一歩」として注目していました。

 ところが、オープン記念前日、男性のBjørn Einar Romøren 選手が「試演」として、メディアを前に先にジャンプしてしまったのです。「公式」的にはAnnet選手が当日ジャンプしたので、「初めて女性が男性よりも先にジャンプした」ということにはなるのですが、「トライジャンプ」とはいえ、前日に男性が一足先に飛んでしまったことも事実。これを受けて、政治家をはじめとして多くの人々が異論を唱えています。

 私が先ほど見たテレビでは、「まず、このオープンを称え、あれだけ素晴らしい建築物ができたのだから、それを祝うべきではないか。誰が先に飛んだかは問題ではない。」と顔をしかめてコメントしている男性がいました。反対に、私の知り合いのノルウェー人女性は、「正直、腹が立つわね。」と、ぼそっと言っていました。事実、女性が男性よりも先にジャンプできなかったことは、「残念。」という空気が全体的に漂っていることは否定できません。

 今回の論争で、人々がどれだけホルメンコレンのオープンイベントに期待をもって注目していたか、ノルウェーを象徴するひとつであるジャンプ台に女性が立つことがどれだけ大きな意味を持っていたのか、「スキー大国」と「男女平等」というノルウェーのふたつの側面を垣間見た気がします。

 ホルメンコレンは観光名所として大変人気があります。今年の5月1日からスキージャンプ台、スキー博物館と共に一般向けにオープン予定のようです。

 追記:大手新聞社VGによると、その後Bjørn 選手がAnette選手に「申し訳なかった。」と謝罪の電話をしたそうです。

スキープロモーション協会公式HP(英語でホルメンコレン・ジャンプ台・スキー博物館の今後の情報など詳細が載っています。)

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