コーヒー交流の場「カッファ・ブティック」

公開日 : 2012年11月10日
最終更新 :
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Photo & Text: Asaki Abumi

コーヒーに対する知識を深めよう、「カッファ・ブティック」

ここは、「ショールーム」であり、「カフェ」であり、「ショップ」である。

イスに座って、カフェオレを飲みながら、友人となごむカフェとはちょっと異なる。

業界の関係者や、コーヒー好きな一般客が集う、

コーヒーでコミュニケーションする、「交流の場」なのだ。

写真:皆が「平等」でいられるように、店内の真ん中にあるテーブルは「丸い」。

「長方形だと、立ち位置で上下関係がでてしまうから」だという。

平等を重んじるノルウェー人らしい発想だ。

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 ワールド・バリスタ・チャンピオンシップで、2000年度の初代優勝者であるノルウェー人のロバート・トーレセン(Robert Thoresen)氏が経営するカッファ・ブティック(Kaffabutikk)。カフェであるモッカ(Mocca)の隣に並んでいる。

 ローバート氏は、焙煎所のKaffaのほかに、カフェのJavaとMoccaに加え、このカッファ・ブティックを営んでいる。

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 平日はコーヒー関係者の来訪が多いが、土曜日は外の通りから近所の人たちがふらりふらりと訪れる。

一般客向けの無料カッピングなどを開催

 毎週土曜日には、一般客向けの無料のカッピング(コーヒーの味見)やエスプレッソの淹れ方を学べるプチイベントを開催している。イベント内容などは定期的に変更があるので、Facebookページで確認したり、電話で問い合わせるのがよいだろう。

 筆者が訪れたこの日の土曜日は雨が降っており、「あまり人は来ないだろう」ということからカッピングは中止。しかし、カッピングを期待して既に来た人もおり、「おや、残念」と、そのまま隣のモッカへコーヒーを飲みに移動する人もいた。

 そんな気まぐれな方針も、時間軸がゆったりとしたノルウェー人らしい。

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 店内には、V60(238NOK)やケミックス(688NOK)などのコーヒー器具がずらりと並ぶ。お店には器具の使用方法について訪ねにくる人も多い。

 カッファで焙煎されているコーヒー豆も購入でき、値段は78~128NOKと差があり、平均価格は88~98NOKだそうだ。

 ただし、一番高価なコーヒー豆は、パナマの「エスメラルダ農園・ゲイシャ」(228NOK)。値段は高いが、これがまた美味しい。

kaffabutikk_asakiabumi_small3.JPGのサムネール画像

Photo:クリスマスプレゼントにコーヒー豆やケミックスを購入していく人も多い。

真ん中の写真は、名高い「エスメラルダ農園・ゲイシャ」。

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 4年半カッファ・ブティックや、隣のモッカで働いているスティアンさんだが、ビジネススクールBIの大学院にも通っており、経営の論文を書き終わらせるために、近々店を去る予定だそうだ。「ずっとコーヒーと素晴らしい時間を過ごしていたので、ここを去るのはちょっと悲しいですね」とスティアンさんは語る。

「一番」は決められない。どのコーヒーも、それぞれ美味しい。

 「どのコーヒー豆が一番人気か」というのは難しい質問だと、スティアンさんは語る。「南アフリカ、コロンビア、グアテマラ、コスタリカ。ほかにもたくさんの国々から購入しています。ここが一番と決めることはできませんね」。

コーヒーについてはどこで学ぶのか

 ノルウェーでは、コーヒーを学ぶことのできる場所はあるのだろうか。

 「ノルウェーにはコーヒー教育のある学校はないが、一度カフェなどで働き始めてしまえば、なんとかなる」という。

 「ティム・ヴェンデルボーエやロバートなど、コーヒーの知識がある人はたくさんいるので、オスロは恵まれた場所ともいえるでしょう」と、コーヒーを淹れながら語るスティアンさん。

 カッファ・ブティックでは週末にはカッピングやエスプレッソマシンの使い方を学べる無料のイベントもある。隣のモッカで美味しいコーヒーを一杯飲んで後は、カッファ・ブティックにもぜひ寄ってみてはどうだろうか。

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住所:Niels Juels gate70B

0259 Oslo

電話:+47 22 44 35 36

営業時間:

火~金曜 12:00~17:00

土曜    10:00~16:00

月曜・日曜休業

最寄り駅:

トラム19番 Briskeby駅下車

バス21番 Riddervoldsplass駅下車

公式ホームページ(ノルウェー語)

北欧ノルウェーコーヒー あんな話こんな話

ノルウェーのコーヒー業界で有名人「ロバートさん」とは?

 世界一のバリスタを決定するワールド・バリスタ・チャンピオンシップ。この第一回目である2000年度の初代優勝者はノルウェー人のロバート・トーレセン(Robert Thoresen)氏。北欧のコーヒー業界をリードするトーレセン氏は、首都オスロに2軒のカフェ(JavaMocca)と、カフェショールム&ショップ(Kaffabutikk)と、焙煎所(Kaffa)を経営する。

 名高いパナマの「エスメラルダ農園・ゲイシャ」のコーヒー豆を、ヨーロッパに初めて仕入れた人物。

ノルウェーのコーヒー事情

 コーヒーの最先端を行っていると言われるノルウェー。

 ワールド・バリスタ・チャンピオンシップの初代優勝者(2000年)のロバート・トーレセン氏や、2004年度の優勝者ティム・ヴェンデルボー氏などのプロのバリスタたち、そして「ソルベルグ&ハンセン」(Solberg & Hansen)などの焙煎業者、「ストックフレッツ」(

Stockfleths)や「カッフェ・ブレネリーエ」(Kaffebrenneriet)などのコーヒーチェーン店が、オスロのコーヒー業界を引っ張る。

 浅めの焙煎で酸味を感じやすい、フルーティーなコーヒーの味が特徴的。「自分たちは高品質のコーヒー豆に囲まれた環境にいる」ことを知らないオスロの地元の人たちだが、ノルウェー人のコーヒーの摂取量は世界でもトップレベル。いつでも、どこでも、コーヒーをがぶがぶと飲んでいる。

 2012年には、カフェ&バーであるフグレン(FUGLEN)の海外第一号店が東京の富ヶ谷にオープン。ノルウェー人の溜り場ともなっているここではノルウェーのロースター4社のコーヒーが味わえる。

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