ノルウェー・エアロプレス選手権2014 一番おいしいコーヒーを淹れたのは?

公開日 : 2014年03月28日
最終更新 :
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 3月22日、ノルウェーの首都オスロで、エアロプレス国内選手権が開催されました。「エアロプレス」とは、注射器のような形をしたコーヒーの抽出器具を使用しながら、空気の圧力でコーヒーを淹れる手法です。

 今大会は主催者であるコーヒー団体カフェカゼ/Kaffikazeが、生豆の輸入会社ノルディック・アプローチ/Nordic Approach、ティム・ウェンデルボー、バリスタ・スクールとの協力体制で実現しました。

 出場者は18名のバリスタとロースター。オスロを中心とする国内各地から参加者が集合しました。

Photos & Text: Asaki Abumi

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優勝は、アイステイン・ヴェフリンスタッド!

 優勝を飾ったのは、オスロ郊外にある焙煎所テンペラート/Temperato社に所属する焙煎士アイステイン・ヴェフリンスタッド/Eystein Veflingstad氏。「リッペ/Lippe」というコーヒーブランドで販売しており、首都オスロにあるオーガニック系の飲食店でもコーヒー豆は購入可能です。

 2位はノルウェー第3の規模であるトロンハイム出身のカフェ「ドロメバー/Dromebar」で働くバリスタのTore Øverleir氏。3位はテンペラート出身のMikkel Dagestad氏でした。首都オスロの大手カフェバーや焙煎所を押しのけて、トップ3を飾ったのは、小規模ながらも地道に活動する国外ではまだ無名の人々でした。

 それでは大会当日の様子を写真で振り返ってみましょう。

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北欧のコーヒーを語るときに、欠かせないキーワードが「エアロプレス」です。北欧特有の「浅煎りの豆」を抽出する時に、元々は果実であった豆本来の味がよく反映されます。エアロプレスの抽出器具は、日本でも購入が可能です。東京にあるオスロ発のカフェ「フグレン/Fuglen Tokyo」でも、ハンドドリップのほかにエアロプレス抽出を希望することができます。

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3人の審査員のうち、ひとりはワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2004年度の優勝者であるティム・ウェンデルボー/Tim Wendelboe氏(写真左)です。カッピングをしたジャッジは、コーヒーを淹れた人の名前が記載されていない3杯のコップから、一番おいしいと思ったものを、「いっせのーで!」という掛け声で指を差します。一番多くの支持を得たカップのバリスタが、次の戦いへと進みます。

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ジャッジ3人の指が最も多く指したコップの持ち主の喜びは大きく、ファイナルに進むたびに、本人たちは、「やったあああああああ!!!!」と子どものように喜びます。小さなノルウェーのコーヒー業界では、競合だからといって、ピリピリと緊張した空気が張り詰めることがほとんどありません。お互いに「壁」がないので、自分が負けても、相手の活躍を笑顔で喜びます。

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さて、問題です。この人たちはなんなのでしょう?

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キーワードは『スター・ウォーズ』

大会会場で大人気だったのは、映画『スター・ウォーズ』のコスプレイヤーの2人でした。実は、今回のエアロプレス大会は、『スター・ウォーズ』がキーワード。なぜ『スター・ウォーズ』? それは、ただ単にこのコーヒー人たちが『スター・ウォーズ』が大好きだからです。大会を主催した「カフィカゼ」は、「コーヒーをデザインする」団体として知られています。大会出場者を募集する際に作製したショートムーヴィーも『スター・ウォーズ』風で、コーヒー関係者の間で早々から「なんてクールなんだ!」と話題になっていました。

ノルウェーのコーヒー業界らしい点が、緊張が張り詰めた勝ち負けの競争よりも、「とりあえずみんなで楽しもうぜ!」という空気がとても強いことです。友達同士でわいわいと、コーヒーを心の底から楽しみます。

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大会の観客は、なんとエアロプレスで淹れたコーヒーが無料で飲み放題。

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日本のコーヒーメーカーのブランドはノルウェーでは非常に人気があります。

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なんと、ノルウェーの有名な高品質ブランドの豆が、無料プレゼント。一人何袋でも自由に持って帰っていいということで、来場者は大変興奮して、何袋も手にしていました。

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優勝者へのプレゼントは、豪華なコーヒーグッズと、エアロプレス世界大会へのノルウェー代表としての出場権です。

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 ティム・ウェンデルボー氏は、アイステイン・ヴェフリンスタッド氏のコーヒーが優勝した理由に、「ファイナルで残った2人のコーヒーは、最初は味がとても似ていたので判断が難しかった。冷めた状態でテイストした時に、ヴェフリンスタッドさんのコーヒーは甘味と酸味がクリアに出たので、迷わずにこれが良いなと判断できたよ」と語ります。

 ヴェフリンスタッド氏のエアロプレス抽出の「極秘レシピ」は、カフィカゼ公式HPで繊細に一般公開されています(つまり、秘密でもななんでもなく、情報は透明化)。

 世界大会出場が楽しみだというヴェフリンスタッド氏。彼が焙煎するコーヒー「リッペ/Lippe」はオスロにあるカフェバーやレストランで味わえ、豆も旅行のお土産として購入可能です。

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