ノルウェーの夏至祭で出会った若者たち
北欧の夏至祭といえば、スウェーデンなどで大規模にお祝いされているが、ノルウェーではどうなのだろう。ノルウェーでは21日(土)ではなく、23日(月)に「サンクトハンス」(Sankthans)と呼び、洗礼者ヨハネの祝日と季節の祝祭を祝う。
Text&Photo: Asaki Abumi
ノルウェーではこの日は祝日とされておらず、私の周囲のノルウェー人は誰も特別にお祝いしたり、外出していないので、あまり大きなイベントではないのかなという印象があった。どうやら、子ども向けの行事という側面が強いらしい。北欧他国のように、焚き火(たきび)を見ながら夜も眠らずに過ごすというよりは、親が子連れででかけ、子どもは花飾りを頭に飾り、湖やフィヨルド沿いで焚き木を見ながら、アイスやホットドックを食べたり、バーベキューをするようだ。
ベルゲンやオスロ郊外では大規模な焚き火も開催されるが、オスロ中心地ではどうなのだろう。今年はオスロでは42カ所で焚き火がされるとのことだったが、全てはまわれないので、3カ所をぐるりとまわってみた。各地で出会ったのは、子連れの親子と、フィヨルド沿いでのんびりとした時間を楽しむ若者たちだった。
観光スポットでもある民族博物館では、ファミリー向けのイベントが開催された。実際に焚き木に火はつけず、緑の焚き木から煙がでるように細工されていた。
夏至祭で定番の子どもの結婚式に加えて、子ども達に人気のあるアーティストが野外コンサートを開催。大人も混ざって、円を描いたダンスも披露された。伝統衣装を着て、花飾りをかぶった子どもたちは、まるで天使のようにかわいらしい。
ヴァイキング船博物館や民族博物館からバスに乗って、すぐ近くのフークという浜辺に向かうと、フィヨルド沿いに焚き木が用意されており、ノルウェー人家族やカップルがバーベキューや日向ぼっこを楽しんでいた。
焚き木にまだ火はつけられていなかった。待とうかなとも迷ったが、中心地の様子も見てみたかったので、移動した。
中心地へ戻って、オスロフィヨルド沿いにある再開発エリア、アーケル・ブリッゲへ向かった。美術館前にあるフィヨルドに焚き木が浮かぶように設置されており、ゆらゆらと揺れる炎を親子や若者が静かに見守っていた。
オスロの若者にとって、焚き火や花飾りはマストなアイテムではないようだ。むしろ、水辺沿いで、家族、友人、恋人など大事な人と一緒にゆっくりとした時間を過ごす日なのかもしれない。
アーケル・ブリッゲで音楽を奏でていたミュージシャン。「素敵な音をありがとう」と聞いていた女性がお礼を言った。
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