ノルウェーの芸術団体が手掛ける不思議な世界『泥の上の橋』
予想を裏切る、汽車・機械・音・光の世界
オスロを拠点に活動するアート団体「世界劇場」(Verdensteatret)による、見ごたえのあるパフォーマンス『泥の上の橋』が、ノルウェー国内外で注目を集めています。今回はオスロでの公演最終日に見に行くことができました。
事前情報などはあまりチェックせず、「音楽家たちが舞台でライブをするのかな」と思っていたのですが、良い意味で予想を裏切られました。なぜなら、このような世界観だったのです!
Broen over Gjørme from Verdensteatret on Vimeo.
舞台は、荒廃した機械やガラクタに覆われた、見捨てられたかのような町。そこで、町に魔法がかかったかのように、汽車が音を立てて動き始めます。
会場は路線で埋め尽くされ、機械や乗り物が好きな人にとっては、面白くてたまらないであろう舞台設定でした。
光と影の使い方も繊細で、全てが計算されつくされていたかのよう。生演奏にあわせて、舞台の雰囲気が次々と変わります。
人間は脇役として、舞台の隅にたまに登場するのみ。動く汽車や壊れかけた機械のオブジェが、空間の主役です。
今まで見たことのない、舞台パフォーマンス
「白い骨が落ちているから、きっと人間はほとんど生き残っていない、機械の世界なんだ!」と、私は勝手にわくわくと妄想を膨らませながら、楽しく舞台を見ることができました。
空気、音、光と影、機械やプラスチックなどの素材が共鳴しあう、今まで見たことのないパフォーマンス! 時に、映画『メトロポリス』を連想させました。ノルウェーのメディアでも高得点を得て評価されていただけのことはあります。
アーティストや舞台関係者の方なら、ノルウェー独特の舞台演出から、新しいインスピレーションを得ることもできるのではないでしょうか。
実は、途中では男性が話す日本語が聞こえてくるというサプライズもあります。
メンバーのひとりであるチューバ奏者のマッティン・タクスト氏は、これまでも日本で何度も公演を開催。今後は9月にモスクワ、11月にはハンブルクで、『泥の上の橋』のツアーを開催予定だそうです。
「ストーリーをどう解釈するかは、観客次第」と語るタクスト氏。ノルウェー人が手掛ける不思議な空間芸術、いつか日本でも披露される日がくるのでしょうか?
Photo: Verdensteatret
Text: Asaki Abumi
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