旅行者もコーヒーを飲みに来れる!スタートアップカフェ「Tøyen Startup Village」
ノルウェーで起業したばかりの人々が集まる新しい場所がオスロにできました。
ムンク美術館があるトイエン地区、地下鉄トイエン駅から徒歩1分のところにあるのが「トイエン・スタートアップ・ヴィレッジ」(Tøyen Startup Village)です。
先週のオープニングには、首都政治のボス(権力的には日本の「都知事」にあたる)、市議会行政部リーダーのヨハンセン氏(労働党)も駆けつけました。
ノルウェーではスタートアップをする人々が集まるコミュニティがまだまだ若く、これから成長していくことが期待されています。
オスロ市議会やノルウェー情報技術ICT連盟などが支援しており、その立ち上げグループで中心人物の1人となったのが、日本のノルウェーファンの間でも知名度が高い、カフェ「フグレン」のボス、アイナルです。実は、アイナルはオスロの都市開発プロジェクトに大きく貢献している人物。
ノルウェーは石油資源で裕福な国ですが、それもいつかはなくなる恩恵。そのためにこのようなイノベーションを起こす人々の支援は、政府や自治体の政治家にとっても大切な課題です。
「トイエン・スタートアップ・ヴィレッジ」は、カフェとしての要素も果たしています。ビジネスに携わっていなくとも、旅行者でも気軽にコーヒーを飲みにくることが可能です。
フグレンの元メンバーがバリスタをしており、Tim WendelboeやKaffa焙煎所の高品質な豆を使用したコーヒーが販売されています(なんという贅沢!)。無料Wi-Fiもあり。
1階のカフェスペースは誰でも自由に出入り・カフェとして楽しめます。
カフェにいたエイリックさん(写真下)は政治に携わる仕事をしており、この時はジェンダーや同性愛者における政策について書類を書いていました。
「オフィスは他の場所にあるんだけど、息抜きにいいなと思って今日は来てみました」と答えてくれました。
「トイエン・スタートアップ・ヴィレッジ」のもうひとつの利点が、「有料メンバー」になること。今から下の写真は、カフェからすぐの別の場所にあるメンバー専用の空間です(旅行者やメンバーではない人は立ち入りができません)。
デスクなしのメンバーなら月250ノルウェークローネ、デスクありなら月2500ノルウェークローネなどで、会議スペースや共有キッチンなどを使用できます。
スタートアップする人々とネットワークを強めて、がっつりと仕事をするスペースが欲しい場合は有料メンバーのほうがおすすめです。
ところで、ノルウェーでは起業やスタートアップ、いわゆる話題の「イノベーション」的なことをするときに、このようなコミュニティに属していたほうがいいかというと、「そうではなく、人によります」。
私は仕事柄、会社を立ち上げた人々や個人でスタートアップした方々をよく取材しますが、このようなコミュニティを利用したという人は少なめ。必ずしも起業などをしてスタートした際に、属すことが絶対必要というわけではありません。
一方、小さいビジネスで生活しており、「自宅オフィスよりも共同スペースを好む」人々は、StartupLabやTøyen Startup Villageのメンバーになり、有料でオフィススペースを利用する傾向がでてきました。
他にもOslo Business RegionやOslo International Hub、MESHなど、コミュニティはほかにも複数あります。どう利用するかは、自分次第。
色々な人が集まり交わることで新しいアイデアが生まれることもあるでしょう。その意味では、これまでのビジネス市場にはなかった可能性が期待されています。
ひとつ大事なことが、このような場所は、就職活動中の人がそこにいけば仕事先が見つかるだろうという「就職支援センターではなく」、すでにスタートアップなどのプランがある方、事業に着手している方向けだということです。
Tøyen Startup Villageにおいては、1階のカフェ空間「Tøyen Startup Village Bar」は誰でも利用できるので、気になる方は覗いてみてはいかがでしょう?
住所:Hagegata 23
Photo&Text: Asaki Abumi
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