芸術と身近に触れられるということ、パリでニュイ・ブランシュ開催

公開日 : 2016年10月02日
最終更新 :
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今週土曜にパリでニュイ・ブランシュ(白夜祭)と呼ばれるイベントが行われました。2002年に始まった同イベントでは、日没とともに美術館などが一般公開され、市内各所では様々な芸術作品の展示や関連イベントが開催されます。都市と芸術を一体化させ、皆で気軽に芸術を親しもうという催しです。またニュイ・ブランシュに合わせて、市内各所で独自のアートイベントが行われることもあります。

今回は昼間に市内13区で行われたストリート・アートのイベントを、夜はパリ市庁舎、ポンピドゥー・センター、コンシェルジュリーに設けられたニュイ・ブランシュの作品展示を見学してきました。

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地下鉄ナシオナル駅から徒歩すぐの会場で開かれたZDEYによるインスタレーション。幼稚園の建物がZDEYの世界観に塗られていました。ZDEYのトレードマークとも言える、真っ黒のキャラクターもいます。会場で音楽をかけていたDJのお兄さんもノリノリでした! 

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パリの南西に位置する13区はストリートアートの中心地です。ストリートアートというと、当局の許可を得ないで描かれた違法なグラフィティを想像しがちですが、13区にある高層マンションの壁面などには、合法的にそれらストリートアートが描かれています。

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日没後からはニュイ・ブランシュが開始。セーヌ川沿いの道路などは、多くの人で溢れました。パリ市庁舎前広場にはStéphane Thidetのアートワークが、セーヌ川を挟んだシテ島側コンシェルジュリー前にはPierre Delavieの作品が掛かります。市庁舎からほど近いポンピドゥーセンターでは、ビートルズのアルバムジャケットで有名なアビーロードの横断歩道を、Les Nivauxが表現しました。

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ニュイ・ブランシュもそうですが、パリは生活と芸術の距離が近いです。美術館が無料になる行事も多く、アートと触れたいと思った時に、すぐ手の届くところに作品があります。芸術は衣食住と直結しておらず、私たちが生きていく上で、必ずしも必要なものではありません。無くそうと思えば、すぐ無くなってしまいます。だからこそ古典、現代問わずアートと触れ合いやすくする仕組みを、行政のような大きな機関が積極的に作り出していくことが、より大切になっていくのではないでしょうか。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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