ローマに唯一現存するピラミッド 日本人の寄付により修復中!

公開日 : 2013年07月19日
最終更新 :

ローマにも、エジプトのようにピラミッドがあります。2025年経ち、かわいそうにずいぶん汚れてしまいました。筆者がローマで始めて見た時からピラミッドの色は灰色をしていたので、灰色のピラミッドだと思っていたくらいです。

八木通商株式会社(本社大阪)の代表取締役 八木氏は、2010年にローマを訪れた際、このピラミッドに惚れ込み、100万ユーロ(約1億円)の寄付により修復作業の支援をすることを決意しました。(Corriere della Sera, 14.marzo 2013)

このピラミッドは、ローマに現存する最後のピラミッドで、今回の修復によりピラミッド表面の清掃も行われます。修復工事は昨年の11月26日から足場を組み始め、現在修復中です。予定では年内に終了する見込みです。

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ピラミッド。現在は修復中の為、足場で取り囲まれています。

ピラミッドは古代ローマ時代の執政官ガイウス ケスティウス・エプロにより、自身のお墓の為に紀元前18~12年の間に建設されました。高さ36.40m、基底部の一辺は29.50mあります。

ローマ軍が紀元前31年に、クレオパトラ率いるエジプト艦隊をアクティウム沖(ギリシア北方)で破りエジプトを征服すると、エジプト風に習ってピラミッドを自分のお墓とするブームがローマにも巻き起こりました。

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下を歩く人を見ると、ピラミッドの大きさがわかります。

このブーム時にローマにもたくさんのピラミッドが作られましたが、時代の流れと共に壊され、このピラミッドが現存する最後のピラミッドとなってしまいました。とはいえ、完全な形で残っているのは立派です。周りの建物がどんどん近代的になっていった中、いままで一人でよくがんばってきたねと言ってあげたいくらいです。今回お化粧直しをされ、ピラミッドも喜んでいることでしょう。

ピラミッドは271~275年になると、ローマ皇帝 アウレリアヌスが建てたローマの町を取り囲む周囲19kmの防御用の壁(アウレリアヌスの城壁)に取り込まれ、この城壁に取り込まれたことによって今日まで残ったとも言えます。

ピラミッドの内部には大きさ23平方メートル程の埋葬室があり、壁はフレスコ画で飾られ、神に捧げる奉納物を手にする羽をはやした勝利の女神や奉納用の壺の絵がポンペイ壁画の様式で描かれています。

(壁画の詳細については割愛しますが、ポンペイの町は79年にヴェスヴィオ火山の大噴火により一夜にして灰の下に埋もれた町として知られています。現在、ポンペイ遺跡として訪れることができます。詳しくはこちら

ピラミッドの内部はレーザーや超音波を使って、もう何年も調査が行われていますが、まだ完全には解明されていません。もう1つの謎の部屋があると実しやかに語られており、未だ見つかっていない為大きなミステリーとなっています。

また、ガイウスの遺灰も見つかっていません。中世に"宝物探し"のようなブームがしばしば訪れたので、その時の訪問者により見つかり、持ち去られてしまったのかもしれません。

ピラミッドは現在修復中なので周りを足場で囲われていますが、近くまでいくことはできます。

是非、訪れてみて下さい!

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ピラミッドはすぐ隣にある、サン パオロ門城壁博物館(入場無料)の展望台よりすぐ近くに見ることができます。

開館時間は火・木が午前9時~午後4時30分まで、水・金・土・日は午前9時~午後1時30分まで。ただし第一と第三日曜日のみ。休館日は毎週月曜日。

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ピラミッドの周辺の様子。

ピラミッドのすぐ前に地下鉄B線ピラミデ駅(その名もピラミッド)がある。ここで下車して徒歩1分。下の地図を参考にどうぞ。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

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