【教会No.3】ローマの日本人の殉教者に捧げた礼拝堂のある教会。

公開日 : 2013年11月06日
最終更新 :

こんにちは。異国の地で"日本"を目にすると驚きですが、この教会は"日本人を描いた絵"を祭壇画として祀っている教会です。しかしあまり知られていません。

イタリアのガイドブックにも絵については全く言及がない程でした。それならと、あえてここで紹介することにしました!

教会はサンタントニオ・ダ・パドヴァ教会(パドヴァという町の聖人アントニオ Basilica di Sant'Antonio da Padova)といって、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂のすぐ近くにあります。1885年頃に建てられた新しい教会で外見はそうでもないのですが、内部はつくりが変わっているというかモダンなので、初めて入った時、古い教会を見慣れている目にはとてもびっくりしました。

教会の内部には左右に小さな礼拝堂(お祈りをする場所)がたくさんあるのですが、その一つが

"日本二十六聖人の礼拝堂"という名前なのです。この礼拝堂は、左の側廊にあります。

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↑ 教会の入口です。

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↑ 内部です。随分モダンな感じのする教会です。左側の奥から2つ目が日本二十六聖人の礼拝堂です。

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↑ これが日本二十六聖人の礼拝堂にある祭壇画です。イタリア人画家により描かれました。

日本二十六聖人とは、豊臣秀吉によって捕らえられ、拷問を受け、長崎で処刑された26人のカトリック信者のことで、後に(1862年)ローマ法王により聖人とされたので二十六聖人という名前で呼ばれています。

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↑ 横からアプローチしましたが、アップ度はそんなに変わらない模様。

秀吉は家来に彼らの顔をつぶす様に(鼻と耳を削ぐこと)させ、京都で耳を切り取られた後に見せしめの為に市中引き回し、その後、処刑の為に歩いて長崎まで向かわせることを命令しました。1月の激寒の中、一行は長崎に到着します。

絵の中で虐待をしている人達(特に左側や中央の人達)は明らかに日本人の服装ですね。

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↑ 26人のうち20人は日本人で、最年少のルドビコ茨木はわずか12歳。この絵のように、26人は十字架に貼り付けにされた後に、槍で両脇を強く刺しぬかれて殉教しました。

ローマンカトリック教会では、2月6日をこの日本二十六聖人殉教者の日としています。(ちなみに普段使うスケジュール帳やカレンダーにも書いてあります。)

日本ではイエスズ会のフランシスコ・ザビエル宣教師がとても有名ですが、ローマにイエスズ会の本部教会があります。この教会には、異国の地で多くの人に洗礼を与えたザビエルの右腕(ミイラ)が戻ってきています。もちろん誰でも近くでみることができます。

日本でザビエルにゆかりのある地といえば、ザビエルが訪れた鹿児島県、長崎県、山口県でしょうか。イタリア側でも、アジア布教に貢献した宣教師として知られています。

2度目以降のローマなら、是非このサンタントニオ教会も訪れてみて下さいね!

サンタントニオ・ダ・パドヴァ教会のインフォメーション:

住所       ローマのメルラーナ通り Via Merulana

オープン時間

(今の時期)午前6時45分~12時、16時~19時

*平日のミサの時間は午前7時、8時、9時、午後18時30分からなので、写真を撮りたい方はミサの時間の訪問は避けられた方が良いかと思います。他の全ての教会についても同様。祝日は午前7時、8時30分、10時、11時30分、18時です。

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筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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