ハンニバルを破ったスキピオ家のお墓!

公開日 : 2013年12月18日
最終更新 :

少しマイナーな観光場所もあるということで、"お墓見学ツアー"についてお届けしたいと思います。

ローマには地下にカタコンベ(catacombe)という名の共同墓地や、有名人・著名人(昔のです)の墓地がまるで、蜘蛛の巣のように広がっており、一般の観光客の方でも見学することができます。

個人的にはローマは、地上にあるモニュメント見学よりも、地下の方が面白いと思っているくらいです。

catas.jpg

↑ サンタ・アニェーゼ教会の地下にあるカタコンベです。遺体の一部もまだ残っているところもあります。

catas2.jpg

↑ 同じくサンタ・アニェーゼのカタコンベ。迷路の様な地下墓地を見学しながら歩きます。

さて、今回訪ねたお墓は、スキピオ家のお墓(Sepolcro degli Scipioni)といいます。

このお墓は、紀元前3世紀頃のもので、スキピオ家の数人のお墓の集合体です。

お墓は長いこと誰にも知られずにいましたが、1616年に突然発見され大きな話題となりました。なぜならスキピオ家といえば、泣く子も黙る、古代ローマの名門中の名門だからです。

この家は多くの人材を輩出しました。特に、ポエニ戦争(紀元前264-146年)という第三次まで続いたローマ対カルタゴ(現チュニジア)の戦争では、スキピオ家の大スキピオが第二次戦争でハンニバルを破り、第三次戦争では、小スキピオは指揮官としてローマを勝利に導きました。こうしてカルタゴは滅亡したのです。歴史が好きな人にとっては、このお墓見学は興奮してしまうかもしれません。

tom1.jpg

↑ このお墓見学では、ヘルメットをかぶって迷路の様な洞窟の中に入り、古代の人はどのようなお墓を作っていたのかなどをつぶさに見学することができます。棺などもありますよ。

棺の前面には碑文が丹念に彫られ、亡くなった死者を称えています。今も昔も同じですね。

DSCN2888.JPG

↑ 地上部にあるお墓へ入る入口にも、壁画が描いてあったりして装飾が施されています。ヘルメット着用がお気に入りの参加者達は、見学後、お墓の前で記念撮影をしていました。昔の人が見たら、何だ!と思うでしょうね~。

この様なお墓を公開している場所は、ローマにはたくさんあります。

少し変わった観光がしてみたい方には、とても面白いのではないのでしょうか?

それではまた!

インフォメーション:

住所:   Via di Porta San Sebastiano 9, Roma

開館時間: 火~日曜日。午前9時~午後2時。

入場料:  4ユーロ

休館日:  月曜日

*入場予約は電話番号06-0608 まで。毎日午前9時~午後9時まで受付。

行き方: ローマ地下鉄A線 サン・ジョヴァンニで下車し、サン・セバスティアーノ門の方角に向かって歩きます。ゆっくり歩いて徒歩20分。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。