ナポリの観光で見たもの!その5 ナポリの治安とトラブル実例集。

公開日 : 2014年01月13日
最終更新 :

先日より、ナポリ観光の様子をシリーズでお届けしています。

その1では、ナポリの悲惨なゴミ状況

その2では、おいしい魚介類の夕ごはん

その3では、活気溢れるお魚市場

その4では、色鮮やかな野菜市場についてご紹介しました。

今回は、ナポリの治安とトラブル実例集をまとめてみます。

これらはナポリで観光業に従事するナポリ人の友人達に聞いたお話です。備えあれば憂いなしです!

イタリア人でさえ眉をひそめる治安の悪い町ナポリ。

イタリア国内のレンタカー屋でナポリに行くというと、貸出しを拒否されるケースがあるといいます。(もしくは車種のランクを一番下まで落とすようにいわれる)

この町はマフィアの温床でもあることで有名です。例えば、ヨーロッパで流通している偽札の50%がナポリで印刷されているというショッキングなニュースもあります。(偽札の75%が20ユーロ札と50ユーロ札だといわれています。ご注意下さい)

筆者の友人が、フィレンツェ出身の同僚にナポリに旅行に行くというと、"あんな野蛮人達が住むところに何で行くの?もっと他にいい所はあるじゃない。私には理解できないわ。" と説教(?)されたと聞きました。

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↑ 港のあるべヴェレッロ埠頭付近。

治安の悪いゾーンについて

ナポリではほぼ全区域の治安が良くない為、日系に限らず、旅行会社の中には"ナポリサファリツアー"なるものを実施する所があります。ライオンやトラがいて(?)危ないのでお客さんを一歩も車外へ出さず、ナポリ市内の観光は全て観光バスの車内から。

対策法⇒

特に注意して欲しいのは、スペイン地区、ナポリ中央駅(鉄道)付近、モンテ・サント地区、サニタ地区(国立考古学博物館の北側)など。

スペイン地区には地元の人も足を踏み入れないので観光客は絶対駄目です。とはいってもナポリっ子(ナポリ生まれのナポリ在住70年男性)にいわせると、スペイン地区は危険度は初~中級だとか。ガリバルディなどのもっと危ない地区では、誰でも分かるほど空気ががらりと変わるそう。(過去に、この地区の地下鉄駅近くで日本人観光客が殺害される事件あり)

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↑ サンタ・ルチア通りのプロムナード。ナポリで唯一用心せずに歩けたところ。高級ホテルが立ち並びます。ところがカメラのひったくりがとても多いので注意です。

ショッピング後の袋を持たない

ホテル前に到着した観光客のバスから日本人のお客さんを降ろす際、ショッピングバッグなどを持っているお客さんには両脇に二人のボディガードがついてホテルの入口までガード。(旅行会社の指示と思われる)

運転手さんも、危ないので二~三人ずつバスから降りてホテルへ向かって下さいといっていたとのこと。バスからホテル入口まで距離にして約100メートルだが、油断は禁物という例。

対策法⇒

買い物をした後のショッピングバッグ(特にブランド物)などを持って歩かない。私にはお金がありますといっているようなもの。

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↑ サンタ・ルチア港では、釣りをしている人もいます。

人にホテル名を尋ねるな(?)

道に迷ってもホテル名を通りすがりの人に尋ねてはいけない。あなたがどれだけお金があるか教えているようなもの。相手が女性だからといって決して安心してはいけない。つけられ、後に仲間に情報が渡ることもあり。

対策法⇒

ナポリ人友人曰く、ナポリに来る前にナポリの地図は徹底的に頭に叩き込め!道端で地図を広げて見るなとのこと。

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↑ お父さんと息子。筆者達が後ろで "今だ、あげろ!" と騒いでいた為、釣りに集中できなかったかもしれませんね。でも愛想よくにっこり笑ってくれたお父さん。

ピアス(イヤリング)泥棒に遭遇

丸いリング型のピアスをしてショッピング街にあるエレベーターに友人二人と乗ったところ、降りざまに男に耳たぶごとピアスをひきちぎられ重症。出血がひどかったため、観光を中断し病院へ。

対策法⇒

街を歩く時は、ピアス(イヤリング)、ネックレス、ブレスレット、高価そうな腕時計は一切身に付けてはならない。とにかく目立たないようにすること。友人によると、日本人は小奇麗なので、バックパッカーでも身なりから日本人だとすぐにわかるそう。

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↑ 釣れていたお魚です!

ぼったくり

ミラノ出身とヴェネト出身(ヴェネツィアがある州)のイタリア人が、地元の食堂に行く度に値段が違ったそうです。(注文しているものは毎回だいたい同じもの)

ナポリ人はナポリ地方の言葉かどうか瞬時に聞き分け、地元民でないとぼったくろうとする。

ところが、何故かローマ出身の同僚とバールに入った時は、一度もぼられなかったそうだ。

筆者注:ヴェネトなど北イタリアの方言はアクセントから容易にわかります。一方、ローマ弁はそこまで変化球でないので、どこ出身なのか聞き分けられなかったのか、もしくはローマもナポリと色々な意味で同じ様なもんさ(?)と思われていたのかもしれない=百戦錬磨のローマっ子もぼったくれない相手(?)。

対策法⇒

ナポリでは英語でなく、出来るだけイタリア語で話した方が良い。微力だが、観光客でないことをアピール。

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↑ 右側にカプリ島。左側はソレントがある半島。

バイクの悪がき

夜8時頃、細い路地をレストランに向かって歩いていると、バイクに乗ったノーヘルメットの2人乗りの少女に、横からこん棒の様なもので殴られた。場所はスパッカ・ナポリ。単に殴られただけで手荷物は無事だった。

対策法⇒

日が落ちるとノーヘルメットの悪がきがあちらこちらから出没し、細い路地などをびゅんびゅん飛ばしひったくりを働く。ただ驚かす為だけに、怒鳴られたり、スプレーを吹き付けられたり、卵を投げられることも。

日が落ちたら外にでない。レストランは宿泊地の近くにあるものを利用するか、人通りが多い道を通って。

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麻薬中毒者

ナポリ中央駅付近は麻薬中毒の人がぐるぐる回っていたり、不法滞在外国人の溜まり場である。

対策法⇒

感じとしてはローマのテルミニ駅(ジョリッティ通り側)の雰囲気と余り変わらないかなぁという印象。

でも日が落ちてからは避けた方が良し。変な人にからまれそうな印象。

強盗・ひったくり

日中、スパッカナポリ(トリブナーリ通り付近)で細い路地に入って写真を撮っていたナポリ近郊出身の友人。写真を撮っていると突然窓が開いて、"お嬢さん、ここから早く出て行きな" と住民からいわれた。無視して撮り続けていると三人乗りのチンピラのスクーターがあっという間にやって来て取り囲まれ、袋小路に追い込まれ、身ぐるみはがされた。

もう1件は日本人観光客(中年の女性ばかり6人)で夜にレストランに向かって歩いていたところ、その内の一名がひったくりにあってひきずられ膝を割る。

対策法⇒

おばさんは親切で注意してくれた様子。スパッカナポリはひったくりのメッカでもあるので注意。ナイフ強盗も出るので、あまり奥まで足を踏み入れないこと。深夜~早朝の訪問は絶対駄目!

また、大勢で歩いているからといって安全だとは限らない。ライオンだってシマウマの群れを追いかける時、襲うのは弱い一匹である。

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↑ 写真中央はヴェスヴィオ山。高級ホテルが立ち並ぶゾーン。

新手の泥棒

筆者の日本人の友人がイタリア人の夫とバイクでナポリへ。ナポリ港にバイクを止め、イタリアではそうする様に、きちんとチェーンで鉄棒に縛り付けておいた。そして、ちょっと目を放すと、港側(海側!)からバイク泥棒はやって来て、クレーンでバイクを吊り上げて持っていくところだったが、時既に遅し。この間20分位。呼んでも誰も来ず、バイクは船に積まれ持って行かれてしまった。

対策法⇒

治安が良くないので、誰といてもどこでもナポリでは油断は禁物。

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↑ 卵城。内部は入場無料。右奥はカプリ島。

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↑ 風光明媚な町です。

ここまで書いてきましたが、"いや、私はナポリは一人で行ったよ。大丈夫だった。" という人もいるかもしれません。でもたまたま運が良かっただけなのかもしれません。

イタリア人も訪れる時は最大限に警戒する街ナポリですから、日本人の私達が注意してし過ぎるということはないと思います。

"ナポリを見て死ね"という言葉もありますが、ナポリは死ぬまでに一度見ればいいのだから、現時点で治安に不安がある方、数名で訪問することが出来そうにない方は、何も無理して今見なくてもいいのでは?というのが正直な気持ちです。

最後に、ナポリ近郊出身の友人(女性)にナポリをどう思うか聞いてみました。

彼女は地元の高校を卒業後、一番近隣の大学、ナポリ大学に進学しました。19歳の時、ナポリに暮らし始めたのですが、2年弱でナポリを後にしたそうです。

理由は、暮らす町としてはストレスがいっぱいだったとか。危なくて怖くて住んでいるだけで寿命が縮まりそうな町です。リラックスして道を歩けないしバスにも乗れない。

でもそれもイタリアなのですね。一筋縄でくくれないイタリアなのです・・・。

なお、ローマの治安については、下記の記事にまとめてあります。

今回のナポリの治安情報の記事と併せてご覧いただくと良いかと思います。

ローマの治安に関する記事:ローマの治安と旅行する前に知っておいたほうが良いこと! こちら

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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