4000体の骸骨さんがアートになって大集合。骸骨寺へ行ってみよう!

公開日 : 2014年08月07日
最終更新 :

今日は、4000体のカプチン派の修道僧の骸骨で "アート" したクリプタ(地下聖堂)で有名なローマの骸骨寺についてお届けしたいと思います。

割と最近のニュースなのですが、骸骨寺は2012年6月より今までそれぞれ別々だった施設が1つに併合されて入口が一つになりました。それまでは入場が無料だったのですが、複合施設(ミュージアム+骸骨寺 トータルで8セクション)としてパワーアップしたことにより、現在では入場料はお一人様6ユーロです。

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↑ 骸骨寺は地下鉄A線 バルベリーニ駅(Barberini)より徒歩1分、1631年に完成したサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会(Santa Maria Immacolata Concezione)にあります。

教会は、1960年公開のフェデリコ・フェリーニ監督の"甘い生活" (ラ・ドルチェ・ヴィータ La Dolce Vita)の映画の舞台ともなった高級ホテルやカフェなどが立ち並ぶ、おしゃれな通りのヴィットリオ・ヴェネト通りの始まり辺りにあります。

切符を買って入場すると、ミュージアムの中にこの教会と修道会の歴史が展示されていて、コースの一番最後で骸骨寺を訪れることになります。今回は骸骨寺のみをご紹介します!

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↑ 残念ながら、内部は撮影が一切禁止ということでしたので、骸骨寺のお写真はパンフレットよりお借りしました。30メートルのクリプタを6つの小さな礼拝堂で分断し、約4000体の修道僧の骸骨さんが納められています。

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↑ 1700年代の半ば頃に造られたクリプタ部分は、元々は亡くなった修道僧の骨を効率良く納めるという目的がありました。(骨は1528~1870年にかけて集められたもの)

ご覧のように、骸骨寺には修道僧さんのミイラもいくつか混じっています。

死というとネガティヴなイメージを連想させますが、ここでの骨やミイラの展示はキリスト教的にはむしろポジティヴなのだそうです。人生を考えさせられたり、体は単に魂の容器に過ぎないので死んでしまえば別の使用方法もあるさ(骨のアートになる等)などなど、ここに立っていると人それぞれに感じることがある様に思えます。

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↑ 4000人というと本当に信じられないくらいの骨の量があります。骨でシャンデリアを作ったり、壁の模様を作ったりしています。恐いとか気味が悪いとかいう思いは全く感じません。

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↑ パンフレットから。左の写真は、頸骨(けいこつ)と大腿骨の間に頭蓋骨を美しくサンドイッチしたもの。

右は、体のどこの部分でしょうか、小さい丸い骨などを使って修道会の紋章をデザインしたもの。このクリプタの地面の土は、言い伝えではエルサレムから運んできたものとされています。

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↑ 修道僧の骨以外にも身寄りのない方の骨なども納められています。こちらは天秤を持って裁く、"バルベリーニのプリンセス"といわれる骸骨さん(天井にぴたっと貼りついています)。体が小さいので、子供の女の子の骨かもしれません。

ここの地下鉄の駅の名がバルベリーニ駅という様に、この教会もバルベリーニ家出身のバルベリーニ枢機卿が依頼して建てたものです。(ですのでバルベリーニのプリンセスといいます)

ところでイタリアでは各地でミイラや骸骨さんが一般公開されています。

有名なのは、シチリア島の州都パレルモにある、1920年に2歳で亡くなったロザリアちゃんのミイラですが、少し前にロザリアちゃんが日中に何回も目を開いたり閉じたりしているとニュースでも話題になりました。こちら

それでは骸骨寺のインフォメーションです。

ありきたりでないローマ観光をお求めの方はぴったりです。かわいいお土産も充実しています!

インフォメーション:

名称    Il Museo e la Cripta dei Frati Cappuccini (カプチン派のクリプタとその博物館)

住所    Via Vittorio Veneto 27

電話   +39-06-88803695

オープン時間  午前9時から午後19時。 * 切符売り場は18時30分に閉まります。

休日     なし

入場料金   お一人8.5ユーロ

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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