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イタリア/ローマ特派員ブログ 阿部 美寿穂

イタリア・ローマ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2014年12月17日

古代ローマファンは必見! 発電所の中のカピトリーニ美術館の分館、モンテマルティーニ美術館。


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古代ローマファンは必見! 発電所の中のカピトリーニ美術館の分館、モンテマルティーニ美術館。

ローマ市庁舎の前にある、カピトリーニ美術館(Musei Capitolini)に発電所跡を利用した分館があります。
このカピトリーニ美術館(本館)は、世界最古の美術館で、あのローマのシンボル "心優しき雌オオカミ" がいることで有名です。雌オオカミについて:巨乳のオオカミの菓子パン?? 知っておきたいローマ建国の物語 こちら


カピトリーニ美術館の雌オオカミは、雌オオカミの"像"なのですが、少し前までは、何と生きているオオカミも飼っていました。
美術館を下りて、マルケルス劇場方面に少し行った所に檻が設置されていて、中で雌オオカミが飼われていました。
オオカミは1970年頃までいたようなので、子供の頃、見に行った記憶があるローマっ子もいます。
ローマのシンボルとして終生頑張った雌オオカミですが、見世物として檻は歩道に面していた為、かわいそうに、安心して過ごせる環境ではなかったようです。今後は、雌オオカミ"像"の方に頑張ってもらうことにしましょう!


今日は、そんなカピトリーニ美術館の分館である、モンテマルティーニ美術館(Musei Capitolini Centrale alla Montemartini)をご紹介したいと思います。
この分館は、テルミニ駅から地下鉄B線で南に5つ目のガルバテッラ駅(Garbatella)から徒歩5分です。
マルティーニ美術館は、閉所となったローマ公共発電所の建物を利用したユニークな美術館です。
内部には発電機もそのまま残っていますので、展示物が機械類の間や、機械類をバッググラウンドにして展示されています。
元々、本館に入りきれない所蔵品を一時的に発電所の建物の中に展示していたのですが、コレクションも増えてきた為、近年、カピトリーニ美術館の分館として独立しました。この美術館のテーマは、"古代ローマ"です。


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↑ 入口です。


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↑ お部屋は全部で3室です。
"円柱の間"⇒ 共和制時代(紀元前509年~紀元前27年頃まで)のローマがテーマで、古代のベットやお墓など、おそろしく古い時代のものがこちらで見られます。
"ボイラーの間"⇒ モザイクなど、個人のお庭やヴィッラから出土したものを展示。かわいい系のものが多いです。
"機械の間"⇒ 3つの中で一番大きなお部屋で、機械油の臭いがまだします。
皆さんが知っているローマ市内の観光スポットの地下から出土してきた彫像等が展示されています。


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↑ 入口を入ると出迎えてくれるものです。
発電所時代に使用されていた遠心分離機で、潤滑油の中の水分を除去する為のものだそうです。ローマ公共発電所は1912年から営業開始となりました。


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↑ スパナやレンチ類です。ディーゼルエンジンとボイラー室のメンテナンスに使用していたものです。
それでは、美術館の内部の見学を始めたいと思います!


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↑ 最初のお部屋は、1階の黄色の壁の"円柱の間"です。
お魚のモザイクのコーナーはかわいいので人気がありました。


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↑ 上の方にイカがいます。
このモザイクは、紀元前2世紀にローマのある浴場のプールの床を飾っていたものだそうです。
ローマ時代、公共浴場では身分に関係なく皆が楽しめるように、内部には冷水風呂、砂風呂、油風呂、ジム、プール、図書館などのいろいろな施設が入っていました。
プールの床なので、お魚をテーマに選んだのでしょうが、魚がリアル過ぎてちょっと怖いです。サザエや深海魚までいました。様々なお魚達に見守られたプールでは泳ぎが上達しそうです。


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↑ こちらは"トーガを着たバルベリーニ(Togato Barberini)"です。
紀元前1世紀の大理石の像です。彼は右手にはおじいさん、左手にはお父さんの顔を持って、こちらに誇らしげに自分の先祖を見せています。"家系図"がこの像を見ただけですぐに分かります。

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↑ 紀元前1世紀頃の、とある夫婦のお墓を飾っていたものです。


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↑ きれいな奥様です。
1926年にテルミニ駅近くから出土したものですが、ローマには、まだまだたくさんのものが地下に眠っていると思われます・・・。

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↑ 続いて、壁が青色の"機械の間"です。


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↑ ギリシア神話に登場する、狩猟の女神アルテミス。


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↑ こちらは超巨大な運命の女神、フォルトゥーナ("今日のフォーチュン" Today's Fortune)です。
市中心部のトッレ・アルジェンティーナ広場(Largo Torre Argentina)にある、彼女に捧げた丸い形の神殿(紀元前101年)の遺跡から見つかったものです。
ちなみに時代はもっと後になりますが、位置的にはこの神殿のすぐ横でカエサル(シーザー)が刺殺されました。
その時、寵愛していたブルータスに放った、"ブルータス、お前もか"という言葉が知られています。(事件は紀元前44年3月15日)
女神、フォルトゥーナの像は高さが8メートルあり、"今日のフォーチュン神殿"の中に据え付けられ、信仰の対象となっていたと思われます。(イメージとしては、お寺の中にある大きな仏像の様なものと考えると良いかもしれません)


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↑ 大きな足にサンダルを履いています。

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↑ 右腕もありました。素材は大理石で、ギリシャ人の彫刻家が彫ったものとわかっています。

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↑ 最後は、緑色の壁の"ボイラーの間"です。
一番最初に目に飛び込んでくるのは、動物がたくさんいる、狩りの場面のモザイクです。手前部分では大きなイノシシを狩っているのが見えます。


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↑ モザイクはテルミニ駅近くから出土しました。
4世紀のリキニウス家の庭園(私的なお庭)の中にあった、アーケードの床モザイクだったと推定されています。贅沢な床ですね!

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↑ 狩りの題材は色々で、モザイクの端の方では、落とし籠に挑戦している男性もいました。(写真)
この男性は、蓋を開けた大きな木の箱の上に乗って、動物をおびき寄せる為に箱の入口にプロシュット(ハム)を垂らしています。クマを捕まえようとしているのですが、こんな方法で大丈夫なのでしょうか・・・。


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↑ 1~2世紀頃のとあるお宅の庭にあった噴水です。ヘビの装飾が目をひきました。


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↑ 美術館のご案内もいよいよ最後になりました。
館内には400点以上が展示されているので、残念ながら全ての展示物はご紹介できません。
館内で一番人気のある展示物をご紹介させていただいて、今号を締め括りたいと思います。(この美術館のシンボルアイコンにもなっている展示物です)
こちらは、夢見がちに、そして静かに物思いに耽る女神(Statua di Musa)です。
鼻は残念ながら欠けてしまっていますが、マントに覆われて静かに物思いに耽る女神はとてもエレガントです。


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↑ 大理石ですが、マントの下には薄っすらと体のラインが見えています。


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↑ このポーズといい、髪型といい、女神はとても洗練されていてびっくりしてしまいます。
左手には彼女のシンボル、パピルスの巻物を持っていたと推定されています。
この女神像も、テルミニ駅近くのウァリウスの庭園の遺跡から1928年に出土しました。


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この美術館は"古代ローマ"のみをテーマにしている為、美術館の中でもマニアックな部類に入りますが、昔の人の暮らしに興味がある方にはとても楽しめる美術館だと思います。

館内見学の所要時間の目安は、普通の訪問者で1~2時間位です。じっくり見たとしても3時間みておけば大丈夫でしょう。
館内にカフェはありませんが、自動販売機の飲み物(冷たい飲み物と温かい飲み物)と簡単なスナック類(チョコレートやクラッカーなど)があります。


インフォメーション:


名称    モンテマルティーニ美術館(Musei Capitolini Centrale alla Montemartini)
住所    Via Ostiense 106
* 最寄り駅はテルミニ駅から地下鉄B線で南に5つ目のガルバテッラ駅(Garbatella)。地下鉄地上部出口を出て、オスティエンセ通り(Via Ostiense)方面へ徒歩5分です。
オープン時間   9~19時(切符売り場は閉館時間の30分前に閉まります)
休日     月曜日
入場料     お一人様7.5ユーロ
ホームページ  こちら (英語)


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      阿部 美寿穂
      ローマ県公認観光通訳。ローマ大学文学哲学部卒(文化遺産学西洋美術史専攻)、国立ペルージャ外国人大学修了。日本では園芸学を学んだ後、公的機関で企画・広報に6年間携わる。植物の専門知識を活かしてイタリアの庭園、ハーブガーデン、ヴィッラも専門的に案内。通訳、コーディネート等のお問い合わせはこちらまでお気軽にどうぞ。ローマから日常生活やイタリア旅行のヒントなどをお届けしています。
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