珍味カニ味噌の考察

公開日 : 2012年11月27日
最終更新 :
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『カニ味噌』とは、蟹の内蔵の一部で、肝臓と膵臓を合わせたような器官。"中腸腺"と言われていて食材として扱う時の名前。"カニの脳みそ"とは別物です。

日本の方なら誰でも知っている甲羅の裏に付いている茶色っぽい・濃緑色(土留め色)のペースト状のモノ。英語では"Brown meat" "Crab innards" "Crab butter" ‥etcと言います。日本食をよく知ってて"KANIMISO"を理解している外国人も存在します。

>>>先日、あるレストランで"クラムチャウダー+カニ味噌トッピング"があると聞きました。初耳でしたので、アメリカの食文化でそれはあり得るのか考えてみました。

『Chowder・チャウダー』 とは、魚介類に豚の塩漬け、野菜を加え牛乳又はトマトで煮込んだ濃度あるスープ。フランス語の"大釜、大鍋(cauldron)"から変化した言葉です。『クラム・チャウダー』は、二枚貝(ハマグリとか)と野菜を煮たアメリカ北東部ニューイングランド地方発祥のスープイギリス人移住者が、地元で獲れた魚介類を大鍋で野菜と一緒に煮込んだ、素朴な料理から始まっています。

サンフランシスコの場合は、"サワードゥブレッド" という酸っぱいパンがありますが、パンの中身をくりぬいてクラムチャウダーを盛り付け頂く"ブレッドボウル" は、名物となっていますね(英仏フュージョン)

さて、海産物のヒトツの蟹。蟹についてイギリス系の料理手引書の蟹の項目に『食べられる部分(White meat)が、全体の3割ほど、爪、足のあたりを食べる』とありました。引き算すると7割の本体(胴)は食べないとなります。つまりBrown meat(カニ味噌)は食べない部分なのです!イギリス系移民がたば始めた(アメリカ人)は、カニ味噌を食べる習慣がない事が分かる。カニ味噌は、ある一定の地域の人達が好んで食べる食材で"珍味"いい意味でのゲテモノになるのです。例えば、ある地域では何とかの脳みそを食べるらしいですが同じ事なのです。

いろいろ考えてを合わせると、茹でた蟹を丸ごと(ホールクラブ)頼んだ場合、当然食べない部分は奇麗に取り去ってくれるのはお店として当然のサービス。捨てちゃう部分を料理(クラムチャウダー)にトッピングするのは非常に興味深い。或いは、日本人の食文化に造詣の深いシェフが「カニミソ」を"思いやり裏メニュー"として出されたのではないかと考察。

本格的な蟹のシーズンに入り、甘みたっぷりのダンジネスクラブが味わえる季節。こちらで蟹のまる茹でカニ味噌付きを食べたい場合、「ブラウンミートもつけてね♡」と頼むとびっくりされるかもしれないけど、手間も省けるお店にとっては、喜んで出してくれるかもしれませんよ。

写真の蟹 ⇒ 生姜風味炒めは、解禁後間もなくのチャイニーズレストランで、カニ味噌たっぷり!「生姜と合うんだ。」と得意そうでした。確かに濃厚な味噌と生姜の辛味が、蟹肉(ホワイトミート)のふくよかな甘みとよく合ってた☆

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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