微妙な立ち位置 カリフォルニアロールって "おかず" ?

公開日 : 2016年03月26日
最終更新 :
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サンフランシスコの昔からある日本食レストランのごく一般的なお弁当のサンプル。

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"コンビネーションプレート(コンボプレート)"は、

何種類かあるアイテムの中からを2〜3種類選んで、サラダ、ご飯、味噌汁がつくのが一般的。

このお店のおかずのチョイスは、

チキン照り焼き

サーモン照り焼き

ビーフ照り焼き

サバ

豚カツ

チキンカツ

イカ

やさい天ぷら

エビ天ぷら

餃子

カリフォルニアロール

お刺身(マグロ・サーモン)

悩むのは食べたい物より"元を取る"にはどれかと考えてしまう事、浅ましいなぁ自分...。

お弁当も、コンボプレートと同じように、照り焼き、フライ、天ぷら、お刺身...etc にサラダ、お味噌汁が付いている。 大体のレストランの味噌汁の具は "豆腐とワカメ" これにグリーンオニオン(日本のワケギに近い)がパラパラと入っている。  ワカメは乾燥を水で戻すだけ、豆腐もサイコロ状に切っておき注文が入ったら、お椀に具を入れお汁を注いで出来上がり。  下準備が簡単なので誰でも簡単に準備ができるので納得できる。

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しか〜し、弁当やコンビネーションプレートで、ずーっと不思議に思っているのが、アイテムの中に、『カリフォルニアロール (California Roll)』が入っている事なんです。  この "アイテム" 日本語で言うところの"おかず" を意味するものと思う。  そのおかずの中にカリフォルニアロールが入っているのが、どうもわからん、にぎり寿司、巻寿司、チラシ寿司...、お寿司は、おにぎり同様 "主食のご飯" だと思っているから。

カリフォルニアロールが生まれたのは、1970年代初めLAの "東京会館" 当時、日系人や駐在員さんの間で大繁盛していた日本食レストランだった。  この誕生は後に寿司ブームが起こった時とっても役に立っている。  時は過ぎ、1977年アメリカの権威ある委員会がアメリカ国民の食事の問題を指摘した。 『顔面大ステーキ、てんこ盛りフライドポテトにバケツ並みガブ飲みソーダは成人病の元、これからは、お野菜を十分に摂り、脂質、塩分を控え、糖分は果物から、そして魚を食べるようにしましょう』 ポッチャリの度を大いに越してしまっていた国民には驚愕の発表だった。  日本食が最も理にかなっているのが知れるところとなり、今までお寿司(生の魚)を食べたことがないアメリカ人、若い層にもお寿司を含めた日本食が浸透していった。  この時カリフォルニアロールは、お寿司を食べたことない人にとって入門編的役割を担っていて、この功績は偉大すぎるほど偉大。  ランチもピザのテイクアウト(To Go)よりも健康的な寿司弁当。  寿司を作る材料は簡単に手に入るし巻き寿司なら職人さんもいらないし、寿司ロボットなんかも登場しちゃった頃。  

日本食=お寿司が完成 ^ ^ v

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さて、日本のご飯のスタイルと言えば、

ご飯と汁物

肉・魚の惣菜(おかず)を主菜に一品。  

豆腐・海そう・豆類など野菜の惣菜(おかず)を二品。

一つの汁物に三つの料理の『一汁三菜』が基本で、本膳料理から変化していったものだけど、日本の夕飯はなんとなく "ご飯・味噌汁(汁物)+おかず" 感じになっているのではないですか?(自分ん家の夕飯)定食屋さん(コンボプレート)でもやはりこのルールが見える。

さて、この超クールなカリフォルニアロール、皆さんはどこに位置づけますか?

ご飯? おかず? 微妙な立ち位置。  自分ん家を例に挙げると、夕飯にチラシ寿司だったら、太巻き寿司でも汁物とおかずがつくといったそこに白飯を用意することはない。(おにぎりの場合も白飯ないもんね)

日本食が世界遺産になった影の功労者は、"カリフォルニアロール" (と思ってる)

しかし、コンボプレート、弁当では微妙な立ち位置ってのが実に面白い。

 (3月お題"変な日本食")

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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