ブラジルの建築あれこれ
サンパウロの街を歩いていると、建築中のビルがたくさんあることに気づきます。
写真上はビジネス街に近いRua Manuel da Nóbrega(マヌエル・ダ・ノブレガ)という道で建築されているビル。
骨組みからして、一つの階に二つのアパート(dois por andar)という贅沢な造りの高級アパートのようです。
一方、下の写真。
よく見ると、何だか、イタリアのピサの斜塔のように傾いていませんか。
これは、目の錯覚でもなく、また、魚眼レンズを使って写真を撮ったわけでもありません。
サントスなどサンパウロ州の海岸沿いの埋立地は地盤沈下が激しく、昔はまっすぐだったビルが時の流れとともに斜めになってしまうこともあるのだと。
それでも人が住んでいるなんてすごいですね。
私だったら、平衡感覚を失ってめまいを起こしてしまいそうです。
ちなみにブラジルでは、ブラジル技術基準協会(ABNT=Associação Brasileira de Normas Técnicas)が建築基準を定め、工学・建築・農業経済地方審議会(CREA=Conselho Regional de Engenharia, Arquitetura e Agronomia)が建築工事や民間責任などの監督をします。
現場には、このCREAに登録されたエンジニアもしくは建築士が随行します。
ビルが斜めになってしまうなんて、当時の建築士たちは思いもよらなかったのかも知れません。
[参考資料]
この記事を書いてから11日後・・・・・・。
4月22日午後9時ごろ、サンパウロ州でマグニチュード5.2の地震がありました。
海沿いの町、サン・ヴィセンテから218キロの大西洋沖合い、サンパウロ市からだと270キロのところが震源地。
サンパウロ州内では20の都市で揺れが確認され、近隣のミナス、リオ、パラナ、サンタ・カタリーナの各州でも揺れたんだそうです。
実は私、全然、揺れを感じませんでした(汗)。
世間一般では「地震のない国=ブラジル」となっていますが、どうやら違うようです。
ブラジリアの地震観測所によると、ここ10年の間に5000以上の振動が観測され、そのうちの400がマグニチュード3以上だったとのこと。
サンパウロ州で一番大きな地震はモジ・イグアスー市で1922年1月27日に発生したものでマグニチュード5.1。
ブラジル国内で最も強かったのは、マット・グロッソ州ポルト・ドス・ガウショスで1955年に観測されたマグニチュード6.2の地震だそうです。
今回の地震は地理的欠落も大陸プレートのつなぎ目でもない、普通では地震が起こり得ないところで発生しました。
耐震対策をしているように見えないブラジルの建築物、ちょっと考えさせられてしまいますね。
[参考資料]
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