呂比須ワグナーさん講演会ーーブラジルを知る会主催

公開日 : 2008年09月30日
最終更新 :
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壁にぶつかっても諦めないで、違う道を探して夢に向かおう――。

ブラジル出身で元日本代表サッカー選手、呂比須ワグナーさん(39歳)の講演会「自分の夢を信じて」(主催:ブラジルを知る会、共催:Conquest Recursos Humanos)が9月27日、サンパウロ市の国際交流基金・多目的ホールで開かれました。

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呂比須さんは1969年、サンパウロ市から北へ400キロ、ミナス・ジェライス州境にあるフランカ市の出身。15歳で名門サンパウロFCに入団、16歳でプロデビュー、18歳の時に日本へ渡りました。

日産(横浜F・マリノス)、日立(柏レイソル)、本田技研、ベルマーレ平塚(湘南ベルマーレ)、名古屋グランパスエイト、FC東京、そして、2002年のアビスパ福岡を最後に現役を退きました。

その間、得点王4回、ベストイレブン4回、天皇杯優勝(1999年)のほか、97年に日本人へ帰化した際は日本代表に選ばれました。

引退後、ブラジルに帰国してジェトゥリオ・ヴァルガス大学(FGV)でスポーツビジネスを学び、パウリスタFCのアシスタント・コーチとして同チームをコッパ・ド・ブラジル優勝に導きました。

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講演会で呂比須さんははじめに、8人兄弟の末っ子として生まれた幼少時代を語りました。

家庭は決して裕福ではなく、野山を駆けずり回って食べ物を探したり、10キロ、20キロの道のりを走って高級別荘地へ行き仕事を得ようとしたり。

10歳で靴工場に働き始めましたが、この時期に強靭な基礎体力を身につけたようです。

次に日本でのプレー生活について話しました。

ここで私が驚いたのは、日本人に帰化した理由が、「長男のため」ということ。

「息子は日本で生まれ、日本で育つ。日本人の息子のために自分も日本人になりたい」

子どものために、国籍をも変えてしまうなんて、果たして、私にできるのだろうかと考え込んでしまいました。

続いて、話はW杯フランス大会予選のエピソードへ向かいました。

イランとの第三代表決定戦直前に母親が亡くなり、ブラジルへ戻るかどうか、とても悩んだのですが、

「母は僕の中で生きている」

とプレーを続行したのです。

私は日本が本大会出場を決めた時、テレビ画面のなかで呂比須さんが泣きながら、天に向かって祈りを捧げているシーンをよく覚えています。

しかしながら、講演会は感動の涙ばかりではありません。

本大会の対ジャマイカ戦で呂比須さんがアシスト、中山雅史さんがW杯で日本人初のゴールを決めたことについて、

「あれは、本当はシュートのつもりだった。中山さんが途中で入って、美味しいところをもっていった」

と発言、会場から笑いをとっていました。

とても気さくで楽しい呂比須さん。

「日本サッカーに貢献したい。できれば、どこかのチームの監督に」

と語っていました。

彼なら、きっといつか、この夢を叶えるだろうと私は思いました。

(写真説明)

上:呂比須ワグナーさん講演会の横断幕

中:笑顔がさわやかな呂比須さん

下:来場者からのサイン攻めに快く応じる呂比須さん

今回、呂比須ワグナーさんの講演会を主催した「ブラジルを知る会」(清水裕美会長)。

1996年に「自分が暮らしている国=ブラジルをもっと知りたい」という気持ちから発足したとのこと。

主な活動は(1)勉強会(2)見学会(3)講演会。

現在、第12期会員を募集中で、要件は(1)女性(2)日本語の読み書きに支障がない(3)今後のブラジル滞在が1年以上。

10月14日午前10時からと11月7日午後1時からの2回、説明会を開催するそうです。

問い合わせはこちら:shirukai_br@yahoo.co.jp

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