シュトレンを探しに!シカゴの老舗ドイツ菓子の銘店へ!③

公開日 : 2016年12月10日
最終更新 :
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-シュトレンを探しに!シカゴの老舗ドイツ菓子の銘店へ!③-

主人の実家に戻って、早速、あの不思議なパンを食べてみます。

焦げたように濃い色の表面はまぶしたお砂糖を焦がしたもののようですが、

時間が経ってしまったのかカリッとはしていません。

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キャラメリゼしたものがしっとり溶けたような、ほろ苦い風味です。

そして一緒に焦げた数粒のレーズンがちらほら。

中はふかふか、乾燥気味のパン生地にたっぷりのシナモンシュガーが巻き込んでありますが、

レーズンは外側だけのようです。

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甘さ控えめで、シナモンの風味とキャラメリゼされた表面が甘苦くスパイシーで、

華やかさは全くありませんが、噛むほどにジワジワと素朴な美味しさがありました。

そして今度は、いよいよ、待ちに待ったお待ちかね、肝心の、シュトレンです。

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原材料を見るとなんと、今までシュトレンの素材として見たことのない意外なものが使われていました。

「カシューナッツ」に、「ドライパイナップル」です!

あとはどこのお店でも割と定番の、レーズンとアーモンド、ラム酒、などなど。

...しかし、私にとって、シュトレンのもっとも重要ともいえる素材、

「スパイス」の文字がどこにも書いてありません。

ええっ、と一瞬戸惑いつつも、トロピカルで全くスパイスなしのこのシュトレン、

いったいどんなお味がするのか、期待と不安でドキドキしてきました。

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さて、早速切って断面を見てみると、おや!?というほど黄色い色合いに正直びっくりです!

生地も黄色味を帯びていて、レーズンも黄色いゴールデンレーズンを使用しているからでしょうか?

そして、決定的な理由はおそらくこの断面に見えるほとんどがドライパイナップル、ということでしょう。

カシューナッツやアーモンドもゴロゴロとほぼ丸のまま入っています。

今まで色々なシュトレンを食べ比べてはきましたが、このシュトレン、切った瞬間から、

本場ドイツのシュトレンや日本の本格的なドイツの製法に沿ったシュトレンとは明らかに違う感触がありました。

が、さらに、一口食べて、その予感は見事に的中しました。

生地はパンのようにふかふかとしていて、ぎゅっと身が詰まっている感じがありません。

本場ドイツで食べた私の最もお気に入りのシュトレンも食感はパンよりでしたが、

こんなにふかふかではありませんでした。

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重さはありますが、スパイスが全く入っていないぶん、味はごくごく単調で、

ブリオッシュ生地にパイナップルとレーズンをこれでもか!とたくさん入れた感じです。

生地はドライフルーツの果汁で湿度を保たれていますが、スパイスが効いていないぶん、

ドライフルーツをもっとバラエティに富んだものにしないとすぐに飽きが来てしまうと感じました。

さて、そんな私の中で最もショックだったのは、原材料に「アーモンド」と書かれているにもかかわらず、

アーモンドは単にそのまま放り込まれているだけであって、

私の大好物で一番楽しみにしていた「マジパン」が、どこにも見当たらなかったことです!

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...そんなわけで、私のアメリカ最初のシュトレンは、

私の食べたかった「これぞ!シュトレン!」とは明らかに違っていました。

もし、これをシュトレンと言われなければ、

こんなパンもあるんだ、おいしいな〜!と思える、そんなイメージです。

決して美味しくないのではなく美味しいのですが、

私にとってこれは私の追い求めていたシュトレンではなかったのです...。

その後、何かに似ていると思い起こしながら、よくよく思い出して味わっていると、

このシュトレン、イタリアのパネトーネに味も食感もとても良く似ていることに気がつきました。

アメリカでは、バームクーヘンもシュトレンも街角で見かけることは全くできませんが、なぜか、

コンビニやドラッグストアではやたらと見かけることができる、イタリアからの輸入品のパネトーネ...。

(...もしかして、これはアメリカの人達の好みに合わせて変化した、

アメリカ人のためのシュトレンなのかしら?アメリカの中華料理にしかないオレンジチキンや、

日本のイタリア料理、ナポリタンスパゲティのような...。)

そんなことをぼんやりと私の脳裏がかすめます。

残念ながら、今回シカゴで私達が発見することができたドイツ菓子のお店はこのお店だけでしたので、

今回、シュトレンを他と比べようがありませんでした。

が、このシュトレンのおかげで

「シアトルに戻ったら、シアトルでドイツ菓子のお店を探して、

再度アメリカのシュトレンにチャレンジしてみせるぞ〜っ!」

と、たぎる思いが湧いてきました!!

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さて最後に、今回のシュトレンを購入したお店の情報です。

今回来訪したこのシカゴのドイツ菓子のお店は、

創業1922年という、アメリカで長い歴史を持つドイツ菓子の老舗店。

他にも美味しそうなケーキやクッキー、パンなどたくさんの種類がありますので、

お近くにお越しの際は訪れてみてはいかがでしょうか?

日が経つにつれしっとりと美味しくなる、このお店の歴史あるオリジナルのシュトレンも、

お味が気になる方はぜひともお試しくださいね。

【 Dinkel's Bakery / ディンケルズベーカリー 】

所在地:3329 N Lincoln Ave, Chicago, IL 60657

営業時間:火曜日〜金曜日:AM6:00 - PM7:00

土曜日:AM6:00 - PM5:00

日曜日:AM8:00 - PM4:00

定休日:毎週月曜日

参考価格:2LB(約900g) Powderd Sugar Stollen:$28.95

次回はアメリカ・シアトルに戻って、シアトルの旅行・観光・グルメな情報を、在住者の目線を通してお伝えします!

お楽しみに!

もし、この記事でシカゴにちょっと興味がわいて、旅行してみたいなと感じたら、

「地球の歩き方」で様々なシカゴ旅行プランを案内していますので、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか?

♦記事執筆者:シュローダー 彩(HP:http://ayaschroeder.wixsite.com/ayacafeseattle

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