秋の庭を散策しよう

公開日 : 1998年10月31日
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 このごろすっかり冷え込み、ニュースによると例年より早く冬が訪れるとか。ソウルの中心に位置する南山(ナムサン)も日一刻と晩秋の装いに変わりつつあります。 この南山(ナムサン)の中腹南斜面には、散策路があります。大都市の喧燥を離れ、晩秋の風景を楽しむのにはぴったりのところです。ソウルの街を眼下に見下ろしながら、韓国の庭を散歩するのはどうでしょう。庭といっても韓国では限りなく自然に近い形の庭造りをするのが伝統なので、散策路は自然の草花にあふれています。春のレンギョウとツツジも素晴らしいですが、秋に咲くオミナエシやキクなどの花と紅葉する木々も美しいものです。この一角は整備された庭の美しさというより、自然の移り変わりをそのまま楽しめる庭造りが魅力と言えるでしょう。 ところで、この散策路が造成されてまだ数年足らずです。実はこの南山(ナムサン)は日本と関係が深いところ。昔日本が朝鮮半島を植民地支配していたとき、始めの統監府は南山(ナムサン)に建てられました。その後、軍部の建物や、日本式料亭、日本人学校、朝鮮神宮などが次々と南山一帯に造られたのです。今でも麓の路地を歩くと、日本家屋が残っているのを見ることができます。当時はさながら日本人村といった風景だったのです。 植民地解放50周年を迎えた去る95年に、南山(ナムサン)復旧事業は始まりました。あちこちに通っていた道路は整備され、空き地やはげ山には木が植えられました。この散策路もそうした事業の一環として造られたものです。元の姿に近い形での復旧をという市民の強い要望もあって、散策路には自然の植物が植えられているのです。その背景を知ってから、この若い木が目立つ風景を眺めていると、胸が熱くなります。散歩をしている人はそんなこととは無関係の表情で、のんびり晩秋を味わっているようですが。 散策路をゆっくり一回りすると、一時間はかかります。お腹が空いたところで、秋の味覚を味わいに行きましょう。散策路の隣にはハイヤットホテルがあり、その中の「JJマホーニーズ」(02-798-0066)のテラスではバーベキューが楽しめます。また、「天海」(02-799-8164)では松茸をはじめとする旬の味覚が串焼きで味わえます。ハイヤットに行く右手前の道を下ると、以前このコーナーで紹介した「カヤラン」(5月14日付レポート参照)があります。ここでは季節感あふれる韓国宮廷料理のコースが堪能できます。秋の山菜ナムルが味わいたければ、「プルヒャンギ」(02-794-8007)がおすすめです。******南山(ナムサン)散策路への行き方:83番、83-1番バス(光化門世宗文化会館前、市庁サムソンvラザ前を通過)で南山(ナムサン)に上り、ハイヤットホテル前下車。「プルヒャンギ」への行き方:ハイヤットホテル左下のバス停から83番、83-1番バスに乗り、行きとは反対方向に山を下る。一駅目で下車、横断歩道を渡るとすぐ目の前。

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南山(ナムサン)散策路には、秋の花が咲いている。

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